XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

3バンドバーチカルの一工夫

7,10,14MHz Vertical wire ANT

 グラスバイバーの振り出し式釣り竿に沿わせて設置するワイヤーバーチカルアンテナを使っている。ローディングコイルの巻き数を切り替えることで7MHz、10MHz、14MHzで使えるものだ。カウンターポイズに3mほどのケーブルを3本使い、そこそこの整合が得られる。コンパクトにまとめられるので移動には便利である。
 

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 ローディングコイルの巻き数の切り替えにクリップを使っていたのだが、あるアイディアを思いついた。中点OFFのトグルスイッチを使うことだ。このスイッチは普通のスイッチと異なり、2つの接点を切り替える機能の他、中点では両方の接点とオフになる仕組みである。そこで、スイッチの中点をアンテナエレメントの一方に接続、一つの接点Aをローディングコイルのタップに、他方の接点Bをもう一方のエレメントに接続する。こうすることで接点Aに倒した場合10MHz用のコイルが挿入され、接点Bに倒した場合にはコイルはスルーされ14MHzに、中点オフの場合にはコイル全体が挿入されることにより7MHzで使えるという具合である。
 
  これまでコイルを切り替えるにはワニグチクリップやテストクリップを使っていた。コイルにタップを作り、そこをクリップでつまむという方法だ。この方法だとタップとするためにコイルに巻き線の隙間を作らなくてはならない。巻き線の間隔があくとインダクタンスは下がる。そのため巻き数も増加することになる。タップを設けず、コイルの巻き線の絶縁皮膜を剥がしてその部分を直接クリップで挟む方法でも同様である。クリップにはある程度の大きさがあるので巻き線同士を短絡してしまう恐れがあるからだ。
 また、クリップのついたリード線がぶる下がっているので、見た目もよくない。スマートな機構にするために市販品の中には巻き線自体を絶縁皮膜のないものにしてショートバーを取り付け、インダクタンスを調整できるようにしたものもある。しかし、ショートバーとコイルの接触部分を自作するのはなかなか難しい。

 中点オフのスイッチというアイディアからタップをクリップで切り替えるというこれまでのやり方を改善することができた。操作性は格段によくなったと思う。庭先移動で運用したがバンドの切り替えがスイッチ一つというのは便利である。14MHzではバンドが開けていなかったようで交信できなかったが、10MHz、7MHzとも数局との交信ができた。アンテナとして十分機能し、そこそこ使えそうである。

 コイルは手元にあったフイルムケースを使って作ったのだが、フイルムケースはこうした工作には便利である。しかし、デジカメが主流になってからこのようなケースを見かけることがほとんどなくなってしまった。代替になるものを探しているのだが、何かないだろうか。お教えいただければ幸甚である。