XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

サイドスイーパー

横ぶれ電鍵とでもいうのだろうか

 以前にもシングルレバー・パドルとして書いたのだが、今回も同様な話題である。1本のレバーを左右に振って、あたかも電鍵を背中合わせにして打鍵できるようにしたものをサイドスィーパー(SideSweeper)というのだそうだ。エレクトロキーヤーが接続されているのではなく、左右どちらに振っても長点や短点が送出できる機構だ。基本的にはストレートキーなので、指で片側を押せばモールス符号を生成できる。それを親指か人差し指で左右に振って操作することで符号を生成するものである。理屈はわかってもなかなか操作が難しそうなので試してみた。

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 今回のきっかけは100均ショップで見かけたクリップである。紙ばさみというのだろうか、複数の紙を束ねておくもので、書類や紙幣などを挟むようである。これを見て「使える」と思ったのだ。ちょうどよい弾性があり、長さも、幅も手頃である。金属なのでレバーとして使えば左右の接点を設けるだけでSideSweeperを作ることができそうだ。
 早速、製作に取りかかった。レバーを固定するにはアクリル板をL字型に成形したパーツに2本のブラインドリベットでかしめた。操作したときに左右に結構力が掛かるのでレバーをしっかり固定できるか心配だったが杞憂だった。
 左右の接点も同じように小さなL字型のパーツを作り、ブラインドリベットを取り付けた。それぞれリード線が接続できるようタマゴラグを一緒にかしめてある。
 この製作の一番の勘所は接点の間隔であるが、概ね1mm以下になるようにパーツを基台に接着し、後はアクリル板に熱を加える方法で微調整することにした。

 できあがり、試し打ちをしてみたのだが、これが難しい。エレクトロキーヤーの操作に慣れてしまっているため左右にレバーを振りながら長点・短点を生成するのができない。相当練習しなければならないようで、これからの修練目標になってしまった。

 配線を変えればエレクトロキーヤーに接続するパドルにもなる。スクイーズ機能は使えないが通常の運用に支障はない。実際、運用してみたが違和感ないものだった。しかし、やはり基台がアクリル製であるため固定が必要である。軽すぎてしまうのだ。そこで、伸縮性のあるベルクロテープを取り付け、膝などに固定できるようにした。移動運用など仮設での運用の際などには便利である。

 SideSweeperに興味を持って始めたのだが、電信は奥が深い。操作には職人技のようなところがあり、そう簡単に扱えるものではないようだ。だからこそ、挑戦のし甲斐がある。実戦で使えるようになるにはまだまだ先が長い。