XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

ほぼ クリアなパドル

アクリル素材でパドルを作る

 きっかけは100均ショップで見かけたアクリルブロックである。アクリルスタンプ台という名称で売られていた。別売のスタンプシートをこのブロックに貼り付けてインクを付け、スタンプとして使うもののようだ。大きさが3種類有り、はがき大のものが一番大きい。私は一番小さい5cm×8cm×0.9cmのものを入手した。表面が磨かれていて透き通ってきれいなブロックである。
 この美しさに惹かれて、パドルを作ってみようと考えた。これまでもアクリル板でパドルを作ってきたが、今回は全体を透明になるようにしてみたい。しかし、接点部分や支持部分は金属のビスやキューブスペーサーを使わなくてはならず、また、コードも透明なものが手に入らず、すべてが透明というわけにはいかない。
 100均ショップで入手したアクリルブロックの他、2mm厚のアクリル板を使っている。レバー部は11mm幅が操作したときの弾性がちょうどよいようだ。レバーはキューブスペーサーを使って基台のブロックに取り付けるが、一工夫をした。キューブスペーサーは基台から少し浮かせて取り付けた。そして、アクリル板のレバーが基台に触れる部分を少し斜めに削り、指で操作する先端部分が少し浮くようにした。こうすることでキューブスペーサーを基台に取り付け締め付けるとレバー部の下側が基台にかしめられることになる。キューブスペーサーを直接基台に締め付けるよりも、レバー部が基台に締め付けられる方が支点が固定され、レバーを左右に操作するときの振れをしっかり防いでくれるのだ。

 組み立ててみると、透明なパドルはなかなかのインパクトがある。飾りとしても十分な存在感だ。ただ、機構はモールス符号を送出するのに問題はないが、如何せん、アクリル素材なので軽い。レバーを押そうとするとパドル自体が動いてしまい、もう一方の手で固定しておかなくては操作することができない。何らかの方法で机などに固定するか、片方の手で握っての操作になる。しっかり握れるようにカバーを取り付けた。

 電信に愛着を持つとそれに関わるものにも関心が広がっていく。電鍵やパドルなどついつい集めてしまうのだ。機能美というのだろうか、電鍵にしろパドルにしろ、その形状自体に美しさを感じることがある。市販品のように金属にクロームメッキをしたどっしりとした作りのものは惚れ惚れする美しさだ。
 手作りのものはどこまでも作り込んでいけるので完成には遠い道のりである。しかし、そこに少しずつ手を入れていく楽しみがある。アクリルは柔らかく工作が容易である。傷つきやすいという弱点でもあるのだが、もの作りを楽しむには手軽な素材である。透明なパドルは市販品ではあまり見かけない。自分だけのパドルとしてシャックに飾りたいと思う。もちろん通常の交信にも使っていくつもりだ。

 アクリル板を使ったお手軽パドル XRQTechLabホームページ

アクリル板パドルの製作 pdf