XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

実験が面白い(2)

7MHz、10MHz短縮EFHWアンテナを作りました。

 一番ポピュラーなアンテナと言えば半波長のダイポールアンテナだろう。左右の1/4波長のエレメントに真ん中から給電する。全長は半波長になる。しかし、このアンテナを張るときには給電するためのフィーダーが必要になる。多くの場合給電点にバランを入れて同軸ケーブルで給電する。アンテナはスロープで伸展することもあるが、より効率がよくなるように設置するためには両端を高く上げるための2本のポールが必要になる。

 移動運用でダイポールを使うのはなかなか制約が多い。もっと手軽に設置できるアンテナ考えたとき、給電をエレメントの端から行う終端給電半波長アンテナ(EFHW)が浮かんでくる。リグから直接給電すればフィーダーが不要になる。設置形状はスロープになるがそこそこの性能が得られる。さらに、エレメントにトラップをつけることで切り替え動作なしで複数の周波数で使えるアンテナになる。

 今回のアイディアはこのアンテナを短縮したモノにできないかということである。通常、7MHzと10MHzで使えるEFHWでは、基になる15m(10MHzの半波長)にトラップをつけ、さらに7MHz用のエレメントをつけるので17mほどになる。結構な長さで伸展するのも大変である。そこで、ローディングコイルを入れ短縮型EFHWを目指した。

 無手勝流でコイルを巻き、半波長のさらに半分のエレメントの途中に取り付け整合するか試してみた。しかし、整合点が見つからない。広範囲で測定すると3MHz程のところで整合していることがわかった。コイルを巻きすぎてしまったようだ。巻き数を減らしながら10MHzで整合するように調整した。これで10MHz用の短縮EFHWになった。10MHzのトラップをつけ、その先に7MHz用のエレメントを追加する。すると10MHzでブロードだった整合点が急峻になり再度整合させるための調整が必要だった。7MHzに整合させるためにはエレメントを調整した。ここにもローディングコイルの影響が出ているようで、短縮していなかった時のエレメントより短くなった。整合はブロードである。

 アンテナアナライザーという測定器一つで試行錯誤しながらの製作だったが、2バンドで使える終端給電短縮半波長アンテナとして纏めることができた。全体の長さは11mほどになった。5mの釣り竿ポールから逆L字型に伸展するとあまり場所を取らずに設置することができる。庭先に設営して2Wのリグで運用してみた。両方のバンドで数局と交信できた。切り替え操作することなく2つのバンドが使えるのは便利である。実験を繰り返しながら作っていくのは楽しい。アマチュア無線の醍醐味である。、

 追記:ベタベタしてしまうビニールテープを避けてテフロンテープでコイルを覆っていたが、このテープは水を含んでしまう弱点があった。そこでポリイミドテープに交換した。ポリイミドは熱や耐候性に強いと言われているが、いかがなものか試している。