XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

出力表示器 Power Indicator

電波が出ると光って知らせてくれる。簡単な回路。

 私はQRPで運用している。伝播状況に恵まれればQRPでも思いのほか電波は飛んでくれるのだ。小電力だけでなく、加えて小さなアンテナでの運用はさらに魅力的である。放射効率が低く電波はなかなか飛んでくれないのだが、チャンスがあれば交信することが出来るからだ。直径70cmほどのアルミ線をループにしたマイクロループアンテナ(MLA)で遊んでいる。ループにポリバリコンを挿入し、目的の周波数に同調させるように調整し整合を取る。、整合すると受信のノイズが急に大きくなるので特に測定器が無くても整合の様子が掴める。しかし、いくら呼び掛けても応答が得られないと、これで電波は出ているのだろうかと不安を感じる時がある。その対策として考えたのがこの表示器である。

 回路は至って簡単なもので、アンテナへの出力にピックアップコイルを噛ませてその電力でLEDを光らせるものだ。リグの出力がアンテナへ大きく送られればピックアップされる電力も大きくLEDは明るく光る。アンテナとの整合が悪く出力が出ていない場合にはピックアップされる電力も小さくLEDは光らないという仕組みである。部品はLEDの保護用のダイオードと、電流制限の抵抗だけの回路でピックアップ部分はトロイドコアを用いてアンテナへのラインをその穴に通した構成になっている。
 これをアクリル板を細工して回路を包み込むようにした。BNCコネクタを両側に付けてリグとアンテナとの間に挿入するようにする。回路は3つのパーツだけなので基板は用いずリード線相互を接続する空中配線とし、絶縁のために熱収縮チューブで覆った。

 MLAは受信のノイズが最大になるようキャパシタを調整し、その後、送信状態にしたときLEDの光り方が最大になるようにキャパシタを微調整すればしっかりと電波が出ていることが確認出来る。しかし簡単な回路のため弱点もある。整合が少しずれたところではLEDは消灯するのだが、大きくずれてしまうとledが点灯してしまうのだ。リバースの電力を拾ってしまうようだ。
 今回は外付けでこの表示回路を付加したのだが、別の方法としてMLAの小ループの給電部に組み込んでみた。共に電波が出ていることを監視でき、運用していても安心できる。また、
 これは、公開運用などの場合、送信の状況を提示できるという利点もある。モールス符号を打電する毎にLEDが点滅し、いかにも交信をしているというアピールになるのだ。光りと共に電波が出て遠くにまで飛んでいき、相手からの返答が聞こえて来るという情景である。あまり電信になじみのない方にとっては電鍵操作と共にチカチカと光る表示は無線通信というものを印象深いものにするのではないかと思う。
 簡単な故に弱点も多いが、このような小物を用意するのもおもしろいと思う