XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

アルミバーMLA4号機

70cmΦのアルミバーMLA

 ハンドリベッターと言うものを入手した。金属の板などを接合するリベットは金床と金槌でかしめるものだと思っていたのだが、この器具を使うと簡単にリベットが打てるという。アルミのリベット自体に本体を潰して変形させるための棒状のものが付いていて、その棒を器具を使って引くことでリベットが変形し留めることが出来る。そして、しっかり結合が出来ると、その棒状のものが切り取られるという仕組みだ。結合したいものに穴を開けておき、そこにリベットを差し込んで器具で締め付ければ結合できてしまう。何とも便利な器具だ。

 アルミバーを使ってマイクロループアンテナ(MLA)を作ってきたが、ループを形成するアルミバーの繋ぎ方に試行錯誤を繰り返してきた。このアンテナを移動運用で使うためには携行しやすいことが必要である。そのために短いアルミバーを何本も繋いでループにするのだが、折りたたむことができ、かつ輪の形を保つことができ、更にしっかり導通抵抗が小さくなるように結合するのはなかなか難しい。タッピングビスや通常のビスなど使ってきたが、これをリベットに替えることで、これらの課題を改善できないかとのチャレンジである。
 アルミバーはホームセンターで手に入れた12mm幅、995mm長、厚さ2mmのものを3本用意した。携帯性を考えてそれぞれを3つに切り、33cmほどの長さのパーツを作った。それをリベットで留めて折り曲げて仕舞えるループにする。これまではすべのパーツをループとして使い、直径1mほどのループにしてきたのだが、もう少し小さくてもMLAとしての整合点が得られそうなので、今回は33cmのバーを7本をループにして、2本は給電用の小ループとした。(結果論だが、小ループにするバーは2本に切る必要はなかった)
 小ループはアクリル板を挟んでBNCコネクタと接続する。大ループに沿わせて設置するので、熱収縮チューブをループ同士が接触しそうなところに被せた。そして、コードなどを纏めるために使われるスパイラルチューブを使って大ループに取り付ける構造である。
 キャパシタは260pFのポリバリコンで、大ループの支えになるよう取り付けたアクリル板に組み込んである。この部分に三脚の取り付け金具を付けたので、MLA自体が三脚で自立する構造になる。
 組み上げてアナライザーで調べてみると、7MHz~28MHzでSWRがV字型に下がる整合点が見い出せた。さすがにこの径では低い周波数帯ではSWRは高めで、14MHz以上なら1.5以下に下がっている。トランシーバーに取り付けてノイズを聞きながらポリバリコンを回すとどのバンドでも急にノイズが大きくなるところがあり、アンテナとしての整合が取れているようである。調整をしている時たまたま7MHzで聞こえてきた移動局に呼びかけると応答があった。電波は東北まで飛んでくれたようだ。
 少しずつ改良を重ねてきたアルミバーMLAであるが、4号機はどんな活躍をしてくれるか楽しみである。コンディションとの兼ね合いではあるが、小さな設備、小さな出力でのハムライフを楽しんでいる。