XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

3.5MHz MLA

2ターン MLA

 秋の深まりと共に伝播状況が変わってきたようだ。だんだんにローバンドでの運用が増えてくる。私は3.5MHzでの運用もしているがアンテナの設営が課題である。波長が80mと長いので広い場所がないとなかなか設営が難しい。
 ローバンドでは電離層の状況で減衰器が必要なほどに強力な伝播になることがある。多少放射効率のよくないアンテナでも交信が楽しめるのだ。そこで、MLAを使ってみることにした。7MHzバンド以上では100均ショップで手に入れた210cm長の3mmφのアルミワイヤーをループにし、260pFのキャパシタとの構成でそこそこの運用をしている。しかし、210mm長のままでは3.5MHzでは整合が得られない。キャパシタの容量を増やすか、ループを大きなものにする必要がある。
 ループに使うアルミワイヤーを2本繋ぎにして実験してみると260pFのままでも整合が得られた。しかしループの直径が140cmほどになってしまい、3mmφのアルミワイヤーでループを形作ることが困難である。そこで、二重のループにしてみた。直径が70cmほどならループの形を保つことができる。二重にした上から部分的に配線などを覆うスパイラルチューブを被せると安定するようだ。50cmのワイヤーで作った小ループで給電したがしっかり整合点が得られた。ただし、整合の得られる帯域幅は大変狭く、ポリバリコンの調整はシビアである。
 2本のアルミワイヤーを繋ぐのに多少手間取った。試行錯誤の結果、ギボシ端子を使うことで解決した。ギボシ端子の径は3mmφよりも多少大きいので手直しが必要だったが、2つの雌端子を背中合わせに接続し、熱収縮チューブで覆っている。この両側から塗装皮膜をよく落としたアルミワイヤーを差し込むことで電気的につなぎ合わせることができた。機構的にも強い力を加えなければ使えるレベルである。

 給電用の小ループと二重にしたループをスパイラルチューブで纏めている。天井から垂らした紐にこの部分を結びつけ、簡易的に運用した。北海道の移動局がQSBを伴って聞こえてきたが、交信には至らなかった。アンテナとしては機能しているようである。
 後日、コンディションを見ながら運用した。茨城の移動局が聞こえたので呼びかけた。もらったレポートは559であったがどうにか電波は出ているようで安心した。

 給電にトロイドコアを使ったものでも試してみた。しっかり整合点が得られた。私のMLAの構成では小ループとトロイドでは給電点の位置がループの上側になるか下側になるかの違いがあるので、どちらを使うかは状況次第だろう。 

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 このコンパクトなMLAは効率は良くないが、どうにか送受信ができるようである。伝播状態に恵まれれば使えそうだ。なお、私の使っているリグは出力2~3WのQRP機である。