XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

明暗センサーライト

LED表示照度計とも言えるのでは?


 WiFiや近接センサーなど高度な機能がついているものではない。暗くなると点灯し、明るい時には消灯する機能だけである。LEDによる照明で省エネ、適度な明るさがあり我が家では廊下のコンセントに取り付け常夜灯として使っている。これが100均ショップで330円だった。

 明るさの感知は、器具の窓からのぞいている姿を見るとフォトダイオードかフォトトランジスタのようである。明るさの変化に応じてLEDの光り方がすぐに反応する。明るさに応じてLEDの電流を制御しているようだ。閾値があってその前後で点滅をするような回路ではなく、明るさに応じてLEDの光り方を変える回路が使われていると思われる。
 街路灯などに使われている明暗スイッチは暗くなるとスイッチが入り、明るくなると切れる動作をする。その昔、この装置がどのような構成なのか不思議に思い分解したことがあった。電子回路が組み込まれていると予想していたのだが、中には大型のCDSと電熱線、そしてバイメタルのスイッチだった。CDSと電熱線が直列に電源と繋がれていて、電熱線はバイメタルスイッチを取り巻いていた。つまり、明るいうちはCDSの抵抗値が小さいので電熱線に電流が流れ、バイメタルスイッチはオフになる。暗くなるとCDSの抵抗値が大きくなるので電熱線の発熱がなくなりバイメタルスイッチは冷やされてオンになる仕組みだった。何ともシンプルな構成だが熱を利用することでオンとオフのタイムラグが得られ、夕暮れ時など徐々に明るさは変化するときにもオン・オフが繰り返されるような動作を防いでいたのだ。スイッチとして明暗センサーを使う場合には、このオン・オフのタイムラグが重要になる。ヒステリシス(履歴効果)という仕組みを入れることで動作の安定を図る。今ではマイコンでソフト的に容易に組み込むことができるが、昔は熱を使うという巧妙な仕組みも行われていた。
 さて、330円の明暗センサーライトはスイッチではない動作をしていた。明るさセンサーそのものだったのだ。人の明るさの感じ方とセンサーで検知する結果では違いがある。朝、辺りは明るくなっていて、もう消灯しているだろうという時でも点灯していることがある。夕方、昼間の明るさよりは少し陰っているように感じる時にはもう点灯していることがある。日常の生活ではほとんど気にしない微妙な明るさの変化にセンサーは律儀に反応してLEDの明るさが変化させている。

 「明るくなったのにまだ点いている」「明るいのにもう点いている」と気になることもあるが、点滅を繰り返して気を惹いているわけではない。逆の発想で、LED表示の照度計と思えばいいのだ。ともあれ、廊下の常夜灯としてしっかり機能してくれているので、安価なこの買い物は正解だったと言えるだろう。