XRQ技研業務日誌

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アンテナ線をまとめるアイディア

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8の字巻きでアンテナをまとめる

 電波を放出するアンテナは、使う周波数によって大きさが決まってくる。低い周波数ほど長くなる。アマチュアが使っている短波帯の電波で、いつも賑やかな7MHz帯では、波長がおおよそ40mになるので使うアンテナの長さも20mは欲しいところである。途中にローディングコイルなどを入れて短縮するやり方もあるが放射効率は落ちてしまう。
 電気抵抗の少ない導体を波長に合わせて高い位置に設置することで効率の良いアンテナとすることができるのだが、太く長い電線は嵩張る。また、長い線は絡みやすく、まとめる場合には巻き枠などを使って絡まないようにする必要がある。移動運用の場合、できるだけ荷物を少なくしたいのだが、このアンテナ線が結構大きな荷物になってしまう。

 QRP(小電力)での運用では小さな出力の電波をできるだけ放出できるように、可能な限り長いアンテナを使うことが多い。しかし、QRP機が掌に乗るほどのコンパクトさであるのにアンテナが嵩張ってしまってはバランスがよくない。多少電気抵抗が高いことを我慢して細い線を使ってアンテナを作った場合でも、長い線を絡まないようにまとめるには工夫が必要である。巻き枠を使うのが一般的だが、その巻き枠が邪魔なのだ。そこで、巻き枠を使わなくても絡みにくい収納法を考えた。

 長い線をコイル状に巻いた場合、伸展しようとしたとき線同士がお団子になってしまうことが多い。その塊を解いていくのに時間がかかる。お団子にならないように、巻いた線同士が離れている巻き方をすればよい。そこで、巻き線を重ねる時に重なり合わないように交差させて重ねる巻き方、すなわち8の字に巻いてみた。すると、束ねた線を開放すると線同士が広がりお団子になりにくいことがわかった。
 20mほどの長さでも、細い線であれば親指と小指の間で8の字に巻いていくと、巻ききることができる。線の端で重ね合わせた8の字の交差部分を線の端でぐるぐると巻くことでまとめられる。さらにその上をベルクロなどのテープで押さえておけばしっかりとした収納になる。
 線だけでまとめているので巻き枠などに巻いた場合よりも柔軟性があり、荷物の隙間などに押し込むこともできる。なによりも用具も必要なくコンパクトなのがメリットである。 トランスフォーマーとコネクタを一体化したEFHWやベースローディングコイルを取り付けたコネクタのバーチカルアンテナなど、コンパクトなアンテナを作ってきたが、最近はもっぱらこの方法でアンテナ線をまとめている。
                        まとめ方のpdfはこちら
 移動運用は山や川べりなど自然の中に行くのだが人の移動を自粛する風潮の中でなかなか移動がしずらい状況が続いている。コロナ禍の早い終息を切に願う。