XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

自作パドルにカバーをつける

簡単な工作だが使い勝手が良くなる

 アクリル板の弾性を利用したパドルを使っている。誰にでも馴染むものではないが、自分好みになるよう調整してあるので操作性には満足している。しかし、これまで機構部分をむき出しのまま使っていたので、手で支えてパドルを固定するとき指の置き場所が限定されていた。指が機構部分に触れてしまうと符号が出てしまうのだ。また、機構部分がむき出しでは見てくれもあまりよくなかった。手作り感たっぷりなのだがあまり人に見せられるものではない。
 そこで、カバーを付けることにした。どのようなカバーにするかいろいろ検討したのだが、市販品のような精密な機構ではないので、埃が入らないように全体を覆う必要はないと考えた。パドルを保持しやすいようにすることを目的に、Uの字型のアクリル板を機構部分に被せることにした。

 アクリル板は温めていくと柔らかくなり、自由に変形させることができるのだ。冷めればその形が保持される。取り付けたい部分の寸法に切り出したアクリル板をヒートガンを使って熱する。熱が表面だけでなく曲げたい部分全体に広がっている必要がある。木の板など熱に強い物の上にアクリル板を置き、ヒートガンを動かしながらその部分を熱していく。結構アクリル板が熱くなるので、成形には熱を通さないような手袋が必要だ。また、しっかり平らに曲げるように添木として木片などを用意しておくとよい。柔らかくなったアクリル板を木片で挟んで曲げると波打つこともなく綺麗に曲げられる。温度が下がるまでしばらくその形を保持しておくと成形できる。一発で気に入った形にすることは難しいが、アクリル板は再度ヒートガンで熱を加えると、元の板の状態に戻るように広がってくれる。納得するまで成形をやり直すことができる。

 U字型のカバーが出来上がったが、パドルの基台に取り付けなくてはならない。アクリル接着剤で付けてしまえばよいのだが、機構部分に自分好みの微妙な調整が必要になるかも知れない。カバーは取り外しができるようにしておきたい。そこで、試行錯誤の結果、セロハンテープでは留めることにした。強い力が掛かる部分ではないので、テープでも不都合はない。もともとパドル自体が軽いので、基台とカバーが付いていればよいのだ。

 カバーを取り付けてから、操作性が向上した。パドルを保持する箇所の制約が少なくなったのだ。パドルをカバーの上から押さえてもいいし、手のひらで包むように掴んで保持してもいい。
 簡単な工作だが、一段と手作りパドルがグレードアップした気分である。自分だけのパドルで交信を楽しむのもいいものである。