XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

アクリル板を活用する

アクリル板は工作が容易なのでいろいろ楽しめる

 私は電子工作を纏める際によくアクリル板を使っている。ネットで手に入れた端材が手元に一箱あるからだ。何かの製品を作るのに使われただろうアクリル板の端材だが、しっかり長方形に成形されて安価に売られていた。厚さもさまざま、色も数種類ある。大きなものはないが自作に活用するにはちょうどいいサイズである。

 アクリル板は工作が容易なのがメリットだ。のこぎりやナイフが使えるし、ドリルも使える。薄い板なら罫書きを入れて折ることで切り出せる。サンドペーパーでバリなどの修正も容易だ。また、熱を加えれば柔らかくなって折り曲げたり、成形することができる。専用の溶剤を使うことで短時間で接着させることができ、十分な強度と密着性が得られる。
 こんなメリットを生かして機器のケースを作ったり、アクリル板上に直接部品を取り付けてアンテナにしたりしている。もの作りの楽しみは試行錯誤をしながら工夫をすることである。ケースにする部材をどのように切り出すか、割付をするところから罫書きを如何に位置がずれないように引くか、いかにアクリル板を均一に固定して綺麗に折り切るか、接着の際、部材同士がずれないように直角を保たせるにはどうするか。治具を考えたり作業工程を工夫したり、楽しみがたくさんある。

 モールス符号を生成するためのパドルもアクリル板を使って作った。本来、パドルはタイミングよく短点と長点を生成するものなので、チャタリングのない確実な動作をさせるために金属を用いてがっちりと作られている。それをアクリル板でやろうとしたのだ。まず考えたのは自分だけのパドルだということ。他の人に使ってもらうことを考えると、その人が使いやすいようさまざまな調整機能を組み込まなければならない。自分だけのものなら最初から使いやすく作ってしまえばよい。機構が簡単なのだ。パドルの使い勝手で重要なのが操作のフィーリングだ。指でレバーを操作したときの堅さとストロークは気になるところだ。アクリル板のパドルでは板のしなりを利用してストロークを得ている。レバーの支点から指で操作する力点までの長さ、また、その途中のどの位置に接点を設けるか。接点のギャップはどのくらいがいいのか。工夫するところはたくさんある。
 どうにか組み上がってもキーヤーに接続して操作してみると思い通りに符号が出てくれない。余計な短点が出てしまったり、抜けてしまったりする。調整を繰り返していくうちに徐々に意図した符号が出てくるようになる。もの作りが楽しめるのだ。

 素材が手元にあると、それをどのように使おうかといろいろ思案する。なかなかうまくいかなくてガラクタばかり溜まってしまうのだが、気分はいつも前向きでいられる。ネットではさまざまな技法が紹介されている。箱の底はまだ見えていないのでまだまだ楽しめそうである。

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