XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

QMX=QCX+QDX ?

写真はQRPLabsのマニュアルから

 5月19日、フォーラムにQRPLabsのハンス サマーがQMXの発表を投稿した。すでにベイトンのイベントで先行頒布をされていたようで、新しいトランシーバーができたようだ。外見はQCXminiとほとんど同じだが、中身にはさまざまな工夫が詰まっているという。早速キットの購入申し込みをしたが、予約が殺到しているらしく品物の発送にはだいぶ時間がかかる様子だ。しばらく我慢しなくてはならない。
 後日、製作マニュアルが公表され、フォーラムでもキットを組み立てた方からの投稿が見られるようになった。小さなケースの中にぎっしりと詰め込まれているので、工作が大変のようだ。このトランシーバーは機能のほとんどをソフトウェアで行うので、将来的にはSSBでの運用もできるようにハードウェアが組まれているという。マルチバンド仕様で80m、60m、40m、30m、20mの5バンドで運用でき、CWのほかデジタル通信にも対応しているという。
 キットが届くまでの間、暇つぶしに製作マニュアルの翻訳に取り組んだ。ハンスの懇切丁寧な説明でステップバイステップで組み立てるようになっている。MPUにこれまでの機種よりも機能が強化されたチップが組み込まれ、ブートローダーが収納されているだけでファームウェアは製作した人が組み込むことになっている。組み上げればすぐ動くというのではなく、ネットを通じて入手する最新のファームウェアを用いることになるそうだ。そして、今後機能を充実しながらアップデートしていくとのことだった。基板はいくつかに分かれていて、それらを組み合わせてケースの中に組み込む方式だ。また、基板は6層のものが用いられ、RFでの動作を安定させるためグランドプレーンになる部分が多くとられているとのことだった。表面実装部品(SMD)は工場で実装されているのだがコイルなどいくつかの部品をハンダ付けしなければならない。グランドプレーンが広いため、ハンダごての熱が逃げやすく、比較的大きな熱量のハンダごてが推奨されている。また、高い密度でケースに収めるため、基板上の高さ制限が厳しくなっていて、マニュアルを十分に読み込んで、示された手順通りに組んでいかないと組み込みが難しくなり、短絡などの危険も出てくるそうだ。
 このトランシーバーを持って、ハンスがトルコで運用した様子がネットに上がっていた。5W程度の出力でダイポールアンテナ、CWでの運用だったようだが、20mバンドで5ヵ国の局との交信ができたとのこと。性能的にはこれまでのQCX以上のようだ。

 まだ実機を入手していないのだが、(tr)uSDXと同じようなマルチバンド、マルチモード、そしてMPUがより高機能なものになった小さなトランシーバー。マニュアルを読みながら組み立てのシミュレーションを楽しんでいる。
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