XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

ボトルキャップでタッチパドル

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ペットボトルのキャップにタッチパドルを入れました。

 

 ペットボトルのキャップはさまざまな色があり、ただ捨ててしまうのはもったいなく思える。だんだん溜まっていきリサイクルに回すのだが、いつも何か利用できないかと考えている。
 ネットでは「一部を切り取ってカード立てにする」とか「並べて熱をかけコースターを作る」「マグネットピンにする」「切り抜いてカラフルなボタンにする」などいろいろ工夫している取り組みが散見された。「植木鉢にしてミニミニ多肉植物の寄せ植えを作る」という信じられないようなことをしている人もいた。

 これまでもこのボトルキャップを活用して、コイルを収納した9:1トランスフォーマーやSWRインジケーターなどを作ったが、今回はタッチパドルを作ってみた。キャップを眺めていて、2つのキャップを直接綴じ合わせることもできるのではないかと考えたのだ。キャップの中に回路を入れ、その両側をタッチパッドとする仕組みである。回路的にはこれまでいくつも作ってきたものと同じ、CMOSのロジックICを使ったものである。指を通して流れるごく微弱な電流を利用してキーヤーを駆動する。冬など皮膚が乾燥してくると電流が流れづらくなり、多少信頼性に欠けるところがあるのだがコンパクトに作ることができる。そして機械的な部分がないので壊れにくく、どんなところに押し込んで持ち運んでも大丈夫という特徴がある。
 キャップを2つ合わせると幅が28mm程になる。親指と人差し指で操作するのに不都合はない。ただ、他方の手でこれ自体を支えなくてはならないので、両手が塞がれてしまう。机上での落ち着いた運用やコンテストでの多忙な運用ではなく、野外での移動運用でなら十分使えるだろう。メインパドルではなく、サブパドルと位置付けて装備の片隅に入れておくのもよいと思う。

 さて、出来上がってみると、なかなか可愛い。キャップは色を遊べるのがいい。気に入った色の組み合わせで作るのが面白い。キーヤーに接続して運用すると小気味よく符号を送り出してくれる。加齢とともに失われていく肌の保水性はまだ失われていないようだ。 当初心配していたキャップ同士の接合だが、ホットグルーを両方のキャップの内側の周りに塗布し、2つを合わせると接着できた。案ずるより産むが易しである。ホットグルーなので取り外しも容易であり、気分で色の組み合わせを変えるのも面白い。ほんのわずかなリユース、リサイクルだが日常を楽しんでいる。