XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

面白さをつくる

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ホームセンターで入手した部品でパドルを作る

 アマチュア無線のイベントの一つにコンテストがある。コンテストは交信数を競うのだが、それぞれ工夫された規約・ルールがある。高得点を得るためには設備を充実させたり、運用場所を選んだり、運用する周波数や時間を選択したり、さまざまな工夫をする。当然、運用テクニックも重要である。自分の持てる力を最大限に駆使し、競技に臨む面白さである。
 しかし、私のように貧弱な設備とテクニックではほかの人と競うような得点は狙えない。それでも、コンテストではたくさんの局がお空に出てくるので、交信の機会が増す。自分だけの楽しみをするチャンスでもある。
 ●アンテナのテスト。自作アンテナがどの程度実戦で使えるかのテストである。測定上は整合が取れて使えるように見えても、効率がどの程度かは運用してみなければわからないからだ。強力に聞こえる局に呼びかける。たくさんの局に埋もれてしまい、コールバックが得られない。アンテナの効率が良くないことを実感。早々に退却する。
 ●あまり出ない周波数帯への挑戦。アンテナの設備がなく、出ることのないバンドに出てみる。V/UHF帯で使えるのは50MHzのダイポールだけである。電信では普段ほとんどお空に出ている局はないので、この周波数帯での交信数は極端に少ない。しかし、この日はコンテストのおかげでいくつもの局が聞こえる。呼びかけても応答してもらえないことも多かったが、50MHzではそこそこの局と交信できた。144MHzは50MHzのダイポールでは整合が取れないのだが、強引に送信をしてみる。するとトランシーバーの保護回路は働かず、送信することができた。都内や神奈川、埼玉の局と交信する。気をよくして430MHzでも試してみる。聞こえる局数は少ないが数局と交信することができた。無茶な運用ではあるが、コンテスト中だからの面白さである。
 ●QRPでの運用。いつもの3W出力、EFHWアンテナが主での運用である。伝播のコンディションに合わせての運用になる。今回は近隣の電波は聞こえず、遠くが聞こえていた。北海道の局と交信しているうちにだんだん聞こえなくなり、九州の局が聞こえ始めた。聞こえる局に呼びかけていく。なかなか応答がないのだが、伝播の状況が良くなった瞬間こちらの信号が相手に伝わり、QRZ JA1・・?と返してくれることがある。QSBといって波のうねりのように聞こえ方が変化する。何度も何度もこちらのコールサインを送信し、相手局から トッ ツーーー ト と返事がある。毎回微弱な信号を送る私の局であることがわかってくれたようだ。了解を意味するR(・-・)という符号に相手局の気持ちが込められているように感じる。微弱な信号で相手局に迷惑をかけているのだが、相手局がそれを理解してアマチュア無線を楽しんでくれている姿が窺えて有り難く感じる。
 
 自分なりに狙いを定めて、コンテストという場を利用させてもらい、楽しみ・面白さを味わわせてもらった。楽しみ・面白さは与えられることもあるのだが、自分で作ることもできる。チャレンジすること、自分なりの狙いを定めること、主体的に取り組むことで面白さは得られる。お金のかからない楽しみ方である。