XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

同名異物

生成AIに画像を作ってもらったのですが。

 言葉は奥が深い。同じ名前でも異なることを指す場合が多々ある。本来言葉によって意思を疎通するのだが、特定の範囲の人にしか通じない言葉もある。同じ言葉でも異なることを指す場合があるのだ。
 私たちが普段何気なく使っている「パドル」もその一つだ。アマチュア無線をしている人ならモールス符号をエレキーで生成するときに使うスイッチを指すのだが、一般にはボートやカヌーなどを漕ぐときに使う櫂を指すことが多い。先日自作をしていて、パドルについて先人たちが作ってきたさまざまな工夫を知りたいと思い検索を掛けた。しかし、そこに出てくるのは漕ぐためのパドルがほとんどだった。検索に複数の条件を付けなければなかなかアマチュア無線のパドルにたどり着けない。私たちが使っている「パドル」は限られた範囲でした通用しないようだ。

 最近の生成AIは凄いことになっている。ネットでも気軽に使えるということで試してみた。言葉で画像のイメージを伝えるだけでそれを生成してくれる。「冬の朝、森の中で女の子が電信で交信をしている。近くの木からEFHWのアンテナを伸展し、パドルを使っての交信をしているそんな画像を作ってください。」とAIにお願いした。生成された画像は雪の振る森の中で交信しているかわいらしい女の子の画であった。背景の静かな森の様子や人物の服装、椅子の配置やテーブルの上の無線機、傍に置かれたバッグなど、イメージとしては依頼したものに即した画像になっている。数秒のうちにこのような絵柄を作ってしまうとは恐ろしい能力である。
 しかし、どこか違和感がある。じっくり見ているとパドルで交信しているのとは違うようだ。スマホを眺めているようにも見える。よくよく見てみると手に持っているのは小さなパドルである。小さな櫂を片手で持ち、もう一方の手で操作しているのだ。生成イメージを伝える際「片手に持ったパドルをもう一方の手で操作して電信を打っている」ということを伝えていた。AIはその通りに画を作っていたのだ。
 初対面のAIだったので私がアマチュア無線という世界にいることはわかっていない。そのため一般的な解釈で「パドル」を理解したのだろう。アマチュア無線をしているという全体的な状況からパドルを解釈してくれなかったようだ。面白いと感じたと同時にAIを使うにはそれなりの設定をしなければならないのだと思った。

 言葉の奥は深い。それぞれの人がそれぞれの言葉を持っている。同じ言葉でもその意味合いは自分と同じとは限らない。それにしてもアマチュア無線という趣味はマイナーなんだなぁ。