XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

K3NGキーヤー その2

入手できる部品も変わってきたので。

 

 K3NGキーヤーは多くの機能が組み込まれていて、使いやすく、作りやすいので現用で重宝している。この製作については

shig55.hatenablog.com

に取り上げている。便利に使ってはいるのだが中身をいじることはいばらくしていなかった。だが、最近では製作を取り巻く状況がだいぶ変わってきた。以前はArduinoもUNOとかnanoしか見あたらなかったのがこのごろではMini Proなどファミリーが増え、3.3Vで動作するものもあるという。電源も18650や14500だけでなくもっと小さなリチウムポリマー電池が手軽に入手できるようになっている。
 もう一度キーヤーをまとめてみたくなった。これまでの製作では電源として乾電池3本を使っていたが、電流の消費が思いの外大きいことが気になっていた。K3NGキーヤーにはSleep機能があるのだが、以前作った時には動作が不安定で諦めた経緯がある。

 製作を進めている中でスケッチの設定をあれこれ変更している。すると設定上の齟齬が起きてしまうことがある。以前の不具合はそのようなところから起きていたのかもしれない。そこで、今回は最初に戻ってK3NG_Keyer_masterから始めることにした。GitHubのサイトをのぞいてみるとスケッチも以前のものとだいぶ様変わりしている。改めてダウンロードさせてもらい、コンパイルをし直しATMega328Pに書き込んだ。その際、消費電力をできるだけ抑えようとSleep機能を組み込み、LCDなどの機能は組み込まずメモリーを3つだけ使える単純なものにした。使い勝手を考えて速度調整にポテンションメータは組み込んだ設定にした。
 シンプルArduinoの基板に乗せて動作させてみると、30mA程の電流が流れていた。どこでこんなに多くの電流が消費されているのかを調べていくと、電源部のLEDが結構電流を食っていた。また、キーイング回路のトランジスタを動作させるための電流も大きかった。供給電圧を変えて動作させると電圧が高い方が消費電流が増えるようだ。
 それぞれの対策をしてリチウム電池で動作させてみると10mAほどに動作電流を減らすことができた。また、Sleep機能は"keyer_settings.h"の中で”sleep_inactivity_time 10”と操作がない時間が10分続くとスリープに入るよう設定されているが、5分に変更、無駄なく消費電力を減らすようにした。また、7L4WVUさんからアイディアをいただき、速度調整のVRでの電源供給をピンから行うようにした。これはマイコンチップがスリープに入っても、電源からVRへの電源が供給されていると常に電流が流れ続けているのでそれを防止するものだ。これらの対策で、スリープモードに入ると70μA程の消費電流になった。
 電池も小さなものが使えるようになった。ポリマー電池で150mAH程度のものなら通常の使用に十分だろう。新たに使えるようになった部品を活用して工作を改良していくのも楽しいものである。