XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

リメイク

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昔作ったものが捨てられない

 部屋の片づけをしている時、もう20年以上前に作ったエレキーが出てきた。詳細については忘れてしまった。PICにプログラムしたもので、5つのボタンが付いているので、プログラムの中にメッセージを予め書き込んであり、このボタンで送り出すものだと思う。スピードコントロールがついていないので、スピードは変えられないようだ。記録もないし、電池は消耗していて動作もしない。懐かしさだけなのだが、捨ててしまうのは忍びなく思った。
 ケースだけではあるが、昔の形を活かして作り直すことにした。中身はArduinoのK3NGキーヤーを使うことにする。ボタンが5つあるのでメモリーを4つ使える仕様にし、一つはコマンドボタンとする。パドル部分には押しボタンが使われていたが、間隔が広くストロークが堅いのでタッチパドルに変更する。タッチするパッドの間隔を狭くするため、上面とサイドにパッドを取り付け、90度の角度で親指と人差し指が触れる位置にした。電源は14500のリチウム電池で、充電できるようにチャージモジュールを取り付け、DC-DCコンバータで5Vを得るようにする。Arduinoはこれまでも使ってきたシンプル基板でUNOとして動作させる。
 約半日掛かって組み立てた。一つの基板ではなくそれぞれの機能をモジュール化し、それを熱収縮チューブで覆うようにした。それぞれのモジュールを配線し、後はケースの中に力づくで押し込む。
 送信機へ接続する3.5mmφのプラグは金属製のものが使われていた。長年放置されて光沢を失い、くすんでいた。コンパウンドを使って磨き上げる。元の輝きがよみがえった。今では樹脂製のプラグがほとんどだが、昔は金属製のものが使われていたのを思い出す。
 スイッチを入れると、”Hi ”と応答があり動作を始めた。コマンドモードに入ればさまざまな機能が使える。外見は昔の面影を残しているが、機能は豊富になった。
 
 小学校の5年生の時、初めて水道パイプにコイルを巻いた鉱石ラジオを作ってクリスタルイヤフォーンから音が出ることに驚嘆してから、アマチュアとして電子工作や無線を楽しんできた。その過程でのエレキーだった。一枚の基板上に組み上げるのが定石だったが、最近ではモジュール化の便利さを実感する。個々の機能を持ったものを組み合わせることで一つの機器として作り上げることができる。自作しなくてもチャージモジュールやDC-DCコンバータモジュールなどはとても安価で入手できる。高機能なスケッチが提供されていて、Arduinoとしてすぐに動作させることができる。技術の進歩の恩恵である。

 ノスタルジーに浸りながらも、断捨離ができていないことに気づく。なかなか思い出のあるものが手放せない。少しずつ、思いを断ち切ってものを減らし、やっと部屋の床が見えてきては居るのだが・・・・