XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

コンテスト

f:id:shig55:20200701081642j:plain

シンプルなパドルでも実戦で活躍した。

 

 あるコンテストに参加した。アマチュア無線でのコンテストは、一定のルールの下に交信することができた局数を競うものである。従って、より広く、より多くの局と交信するためには電波をより強く出す方が有利である。大電力と数十メートルの高いタワー、フルサイズのアンテナ、指向性のある何段にも重ねた八木アンテナなどが使われることもある。さらに通信技術や長時間の運用に耐える体力も必要である。
 一方、コンテストには別の面もある。普段お空に出ることの少ない方も参加されるので、初めての方と出会える機会でもあるのだ。コンテストが始まると静かだったバンドがたくさんの局に埋め尽くされる。選り取り見取り、繋がりそうな局を見つけて呼びかける。これまで交信したことのない土地から出ている局と繋がることもある。交信の幅を広げることもコンテストの楽しみである。
 コンテストではルールに従った交信内容を送受する。今回のコンテストではRSTというシグナルレポート(了解度・信号強度・音調)と運用地点を示す番号、そして年齢を示す符号を送ることになっていた。年齢は10代はA,20台はB、30代はCという具合である。女性の場合には年齢を聞くのは失礼という意味合いからかYという符号が用いられている。
 24時間に亘って行われるコンテストだが、上位入賞を狙っての参加ではないので、時間の取れるところで参加した。伝播のコンディションが良かったのでいくつものバンドで初めてお会いする局とも交信できた。結果は23局だったが、年齢構成を見てアマチュア無線を楽しんでいる方々の状況を垣間見る思いがした。若い方たち、年齢符号でいうとAからDの方とは1局も交信できなかった。50代の局が4、60代の局が6、70代の局が10、80代の局が2、そして女性局が1という集計である。
 携帯電話もインターネットもなかったころ、科学技術に憧れて無線を始めた人たちである。神田や秋葉原の露店で真空管や部品を探し回り、様々な雑誌から情報を集め、同好の人のお宅を訪ね、作ることの面白さ、工夫することの楽しさ、そして自ら手掛けたもので交信できることの喜びに夢中になった人たちである。

 コンテストという些細な機会ではあるが、アマチュア無線の状況がはっきり表れているように思う。50代以前の若い方が少ないのだ。アマチュア無線は不確実性を楽しむものである。今の電波事情は極超短波が主体で、確実な通信が当たり前になっている。携帯電話にしてもインターネットにしても、通信できるか否かよりその内容が主体である。コンテンツを楽しむ時代になっている。
 無線技術の底辺を支えてきたアマチュア無線の楽しさを若い世代にいかに伝えていくから課題になってきている。
 因みに、私の送った年齢符号はGで、今回交信いただいたの中ではマジョリティである。