XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

電信の略号による運用

赤城山のレンゲツツジ

 アンテナを製作したので、そのテストをかねて赤城山の小沼で移動運用をした。
 電信での交信は通常、略号を使って行われる。”CQ CQ CQ DE JA1XRQ/1 JCC1601 LA2 PSE K”という具合である。略号を知らないと何を言っているのか不明だと思う。「どなたか聞いていませんか。こちらはJA1XRQというもので、移動局です。移動先は群馬県前橋市で赤城小沼の近くです。応答をお待ちします。」と言う内容である。
 電信という情報量の少ない通信方法で、豊富な内容を伝えることが出来るように工夫したものが略号である。CQは諸説あるのだが、Come Quickの略で応答を呼びかける略号。DEは「こちらは」という意味。コールサインは免許と共に指定される。/1は国内を10のエリアに分割してあり、その中で1エリア内の移動局であることを示している。JCCは国内の市などに番号を付け、JCGは郡などの識別番号である。LAは湖沼の番号で全国の主な湖沼に番号が付けられている。
 駐車場の片隅にアンテナを張り、CQを呼びかけたが全く応答がない。うまく電波は出ていないのかと心配になり周波数を動かした。アマチュア無線では使える周波数が厳密に決まられており、一定の範囲内でのみ運用が許されている。幅があるので「バンド」と呼ばれている。その7MHzバンドでの運用だが電信は下の方の周波数を使うことがJARL(日本アマチュア無線連盟)のバンドプランで示されている。周波数を動かし探っていくと移動局の強力な電波が見つかった。早速呼びかけると返答がある。”TU GM UR 599 CU GL"と電信で送って交信が出来た。内容はTUがThank Youの略、GMはGood Morningの略、URはYourの略、599は信号の強さ・了解度・音質の状況を示す数字、CUはSee Youの略、GLはGood Luckの略である。「ありがとうございます。おはようございます。あなたの信号はとても強くわかりやすいきれいな信号です。またお会いしましょう。御活躍ください。」という内容が13文字の電信に込められている。
 電波は出ているようである。相手に呼びかけることで栃木、茨城、静岡の移動局と交信をすることが出来た。電池2本の電源で2Wほどの小電力ではCQは届いていないのかも知れない。ともかくアンテナが機能することは確認できた。
 赤城山レンゲツツジの群落が広がっている。高原の爽やかな空気の中で、小鳥たちと五月蠅いくらいの虫?の声を聞きながらのんびりと無線を楽しむことができた。
 昼を過ぎると急に冷たい風が吹き出したので、天候が急変すると怖いので早々に撤収した。