XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

壊れない技術

shig552006-04-11

メタルカラーの時代シリーズを読んでいます。
阪神淡路大震災からもう10年が過ぎているのですが、被災から復興に向けての話を聞くと胸が熱くなります。災害という大きな試練に向かってさまざまな人々が立ち向かっていき、日本中の力が善意となってまとまったという感じがします。
災害は必ずくると言われ、いろいろな準備が進んでいますが、災害だけの備えではなく日常生活に中にとけ込んだ、言い換えれば日常生活そのものが一つのことに依存しない体制にしていくことが必要なのでしょう。
阪神高速道の20ヶ月の復興
全国からの応援を得て、何千台もの重機が現場に駆けつけ、既存の技術が有効に組み合わさって成し遂げたという事業、高速道路が壊れたことに対するマスコミなどからの厳しい批判の中で、壊れないものを作ることで回答しようとする姿に、技術者の誇りを感じる。いくら評論がやかましくても現場は事実で答えを出さなくてはならない。その厳しさと喜び、すばらしい仕事をしたと思う。
大阪ガスの復旧
震災から3ヶ月、85日間でライフラインを復旧した話にも感動した。全国からの応援部隊が65のホテルに述べ22万泊、正規の大阪ガスの職員と併せて約880もの実働部隊が投入されこんなに早い復旧を果たした。地中に埋まっているガス管を点検修理したのだから専門家でなくては出来ない仕事であり、技術を持つ者の活躍の場であった。一人一人が「自分がやらなくて誰がやる」という気概を持っていたのだろう。そのような仲間が、機材が、材料が全国から集まってくるというこの国のすごさ、すばらしさを感じる。

プロとアマの違いは、「後ろがあるかないか」であると考えている。プロには後ろがない。自分で決着をつけなくてはならない。アマはあきらめることが出来る。言い訳をすることが出来る。自分はアマチュアだが、技術を追求することのおもしろさは知っているつもりだ。だから、ブレイクスルーにどれだけ時間がかかるかわからないがあきらめないで追求する。アマチュアには時間はたっぷりある。採算度外視の世界である。もの作り、技術の追求を楽しんでいきたい。