XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

プリフィックス

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1エリアで交信した局へのQSLカード

 QSLカード(交信証)の並べ替えをした。QSLカードを各局に転送してくれるビューローに送るとき、予め分類しやすいようにプリフィックスを並べ替えるのだ。まとめていくと1エリアの局が多いことがわかる。その中で、ある偏りがあることに気づいた。JA,JH,JRの局が多いのだ。
 無線局にはその電波の出所が明らかになるように通信にコールサインを付加することが定められている。国境を越えて飛んでいく電波なので、国際的な取り決めによって日本ではJAA-JSZ、7JA-7NZ、8JA-8NZという符号がプリフィックスとして割り当てられている。これによりアマチュア局もJA1〇△◇などというコールサインが指定されている。JAのようなアルファベット部分はこの国際的な取り決めに従うが、次の数字部分は管轄する電波管理局を示すものである。その後のアルファベットや数字は各局を識別する符号でサフィックスと言われる。
 かつて、科学技術に大きな関心が寄せられた時期、日本のアマチュア無線従事者免許でモールスコードの試験がない電話級が新設された。これによりアマチュア無線を始める人が爆発的に増え、130万局を超えた世界一のハム人口になったことがあった。そのため発給されるコールサインが枯渇し、1エリアでは7K,7L,7Mは本来管轄通信局を表す数字のうち1~4までを関東総合通信局管内で使う対応がなされた。それでも割り当てができなくなり、現在では一度使われたコールサインの再指定が行われるようになっている。

 プリフィックスの発給順序だが、JAから始まっている、その次にJHが、さらにJRと言う順で発給され、その後はアルファベット順で、7J、7K・・・と続いた。JAというコールサインは戦後再開されたアマチュア無線で発給された最初のコールサインであり、すでに50年以上前から無線をしていた人たちと言うことになる。コールサインの再指定が行われているので一概には言えないのだが、昔から活躍しているJH、JRの人たちが今でも活発に活動されていることが窺える。
 ハム人口が爆発的に増加する前には数年をかけて一つのプリフィックスが発給されていた。アマチュア業務という無線に関わる私的追求をすることに強い関心を持たれた方々だったのだろう。今でも無線の奥深い世界に強く惹かれている様子がこれらのプリフィックスのカードが多いということに表れている。
 
 私はCW(電信)での交信しかしていないので、相手をしてくださった局も多少偏りがあるかもしれないが、交わす交信の内容でも若い方よりある程度の年齢の方が多いように感じる。無線という世界で私的な探求ということのおもしろさは年齢に関係ないはずである。コンテンツだけでなくハードやスキルなどの部分を含めたアマチュア無線の楽しさ、おもしろさをもっと若い人たちに知ってほしいと願う。