XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

ウエムラ スピリット

8J1NAOMI 植村直己生誕80周年記念特別局

 

 8J1NAOMIからのQSLカードを受け取った。一昨年の12月に交信したものだが記載に誤りがあったとかでわざわざ郵送で新しいカードを送っていただいたのだ。植村直己生誕80周年局の管理者とQSL担当の方の丁寧な対応に頭が下がる。
 この記念局は「冒険家植村直己生誕80周年、植村冒険館リニューアルを記念し、『ウエムラ・スピリット』を広く、全国、世界に、子どもに、おとなに発信する機会とします」と言う趣旨から運用されたようだ。
 管理者の方からのメールでは「今回の特別局は おこがましいかもしれませんが 植村直己さんの精神である ウエムラ・スピリットを皆様にお伝えすることもありました。
たったひとり、厳しい自然のなかで行動を続けた冒険家・植村直己さん。その生涯をかけて人間の可能性に挑戦し続けました。どのような状況におかれても、人間らしい豊かな心で目標に向かって努力する冒険精神を 皆様にお伝え出来たのではないかと思います。」とあった。

 植村直己さんが活躍されていた当時、その著書から幾多の刺激を受け胸を躍らせたものである。私も無線をやっていたのだが、ウエムラネットという定時連絡があることは知っていても、当時の私の技量では植村さんのシグナル見つけることができず、本の中で冒険の様子を追っていた。植村さんの、本を書き、資金を集めて次の冒険を目指すという生き方に憧れもし、自分にはできないなあと畏敬の念を抱いたものである。そんな植村直己さんがマッキンリーを登攀中消息を絶ったというニュースは耳を疑った。クレバスに転落しないよう長い竹ざおでそりを引き雪原を歩くような慎重な直己さんに何が起きたのか。10000フィートにいるという無線が最後であったという。その後の捜索でさまざまな装備は見つかったが、その姿は見つかっていない。
 植村さんな使っていた装備などが植村冒険館に展示された。私は石神井川沿いを自転車で下り、その記念館を訪ねたことがあった。寒さで電圧が下がってしまうことに対処するため電池メーカーの協力を得たという電池やそりに括り付けたアンテナを見つけ、植村さんが無線を活用しながら冒険をしていただろう様子を思い描いたものだった。

 私は無線を使って遊んでいるが、無線が命の綱になる場合もある。公共の資源である電波を大切に使いたいものである。植村さんのような冒険はできないが、自然の現象であるこの不思議な伝播を楽しませてもらおう。