XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

手作りパズル

手近なもので作るパズル

 簡単なおもちゃなので、手近にあるもので作った。木片に繋いであるコードに2つの輪が入っている。この輪を左右に別々にしたり、一方に纏めたりするパズルだ。輪は木片の穴を通り抜けることはできないので、コードを操作して輪を移動させるしかない。どのように操作して輪を移動させるかというパズルである。
 一見難しそうだが、試行錯誤しているうちにできてしまうところがミソなのだ。理屈で考えてもなかなか分かりづらい。指を使ってコードをあれこれ操作するうちにうまくいくことがある。脳トレというよりも指先の運動と言った方がよいかも知れない。

 このパズルはネットを彷徨っているときに動画で見つけた。要はコードの真ん中がひばり結びで固定されていて、両端も穴から抜けないようになっている。そのコードの途中にリングが入っている構造である。さまざまなバリエーションがあり。木片などを活用したものが多い。私の作ったものも私なりにアレンジして、ありあわせの材料で作ったものである。

 こうした昔から伝えられてきたパズルがたくさんある。すぐには解けそうにもなく、考えてしまうのだが、試行錯誤している中できっかけが見つかり、解くことができる。その過程を楽しむ。ゲーム機のような複雑なコンテンツが組み込まれているわけではないが、あれこれと迷いながら一つの目的、「出来そうにないことに挑戦する」ということに集中する。うまく解けた時にはそれなりの達成感が得られる。

 最近「昔遊び」が見直されてきているようだ。ベーゴマ、コマ回し、おはじき、めんこ、けん玉など、懐古趣味ではないがその面白さが見直されている。どれも技や習練が必要であり、自身の成長が感じられるものである。主体的な学びがその面白さの中心なのだろう。大きく言えば自己実現である。自分の力が発揮できた時に喜びが得られる。そして自己肯定が増長される。なによりも手先の機能訓練になる。

 社会の分業が進んでほとんどのものが商品として流通している。自作をするのはかえって費用がかかってしまう。しかし、手作りで自分だけのもので遊ぶのもいいものである。単純だからこそ、達成したときには自慢したくなる。そして周りに広めたくなる。手作りのぬくもりが広がっていく。デジタルの遊びを否定はしないが、手指を使った遊びの楽しさを子どもの時にこそ体験してほしいものである。