XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

人感センサーライト

モジュールを使って工作

 焦電型赤外線センサーモジュール HC-SR501という便利なものを見つけた。物や人が発する赤外線の微かな変化を感知するセンサーで、フランネルレンズを含めてモジュール化されている。入出力は3本ピンで、1本は電源、1本はGND、そして出力として動きを感知した時に3.3Vが出力される1本である。
 ネットにはこれを使ったたくさんの動画や製作記事が出ていてさまざまな場面で使われているようだ。マイコンに組み込まれている例が多いが、これ単独でモーションセンサーとして使うのも面白そうである。何しろ200円程度で入手できるので気軽にアイディアを楽しめる。
 手始めに、このモジュールの動作を確かめるためのセンサーライトを作った。人などが横切った時、ライトが点灯する基本的な動作である。電池とLEDを駆動させるためのトランジスタを接続するだけなのですぐ出来上がった。このモジュールには調整ボリュームが2個ついていて、1つは感度調整、もう一つは出力の時間調整である、また、ピン設定でセンサーが動きを感知するとトリガーが1回掛かって所定時間でオフになるモードとセンサーが動きを感知している間はオンになり続けるモードの選択ができる。
 動作確認をしたところで、周囲が明るくてもライトがつくのは不都合ではないかと気づいた。通常、明るいうちはライトは不要である。暗くなったらセンサーでライトが点灯する方が自然だ。調べてみると明るさを感知して明るいうちは動作を止める回路が組み込まれているようだ。明るさセンサーのCDSを取り付けるランドが基板上に設けられている。これは一方はGNDに繋がり、もう一方は1MΩの抵抗を介して16ピンチップの9番に接続されている。CDSが接続されていない時、つまりCDSの抵抗値がが∞のときは常に動作する状態になっている。CDSの値が小さくなればセンサーとしての動作が止まるロジックのようである。
 CDSのランドに手持ちの5mm径のものを取り付けてみた。しかし、薄暗い状態ではセンサーの動作が始まらない。CDSの値が多き過ぎるようだ。いろいろ試行錯誤を繰り返し、この値を下げるためにCDSと並列に300kΩほどの抵抗を付けることで薄暗くなると点灯動作を開始し、明るい時には動作を休止するようになった。
  
  こうしたモジュールが利用できるのは大変便利である。しかし、安価に購入すると品物は届いても何の説明資料もなく、どのように使うかは自分で調べなくてはならないことが多い。型番などがわかればネット検索でさまざまな情報が得られるが、求めることが手に入るとは限らない。その場合には試行錯誤で取り組むしかない。今回の明るさセンサーの取り付けでは、この回路がオープンの場合には機能しないということがヒントになった。抵抗値が大きい時は機能しない=>抵抗値を下げれば機能するはずだ、という論理でCDSの調整を行った。モジュールというブラックボックス化で便利になった。それを使うにはどのように機能しているのかを解析することで使い方がわかることが多い。小さな工作だったがちょっぴり楽しむことができた。