XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

安価な測定器

海外からのリーズナブル測定器

 アマチュアとしてものづくりを楽しんでいると、回路の状態やデバイスの様子など知りたいと思うことが多々ある。電子機器の測定器は一般に高価であり、なかなか個人で購入することは難しい。持っていても抵抗値や電圧、小電流が計れるテスター程度が関の山であった。しかし、最近ではマイコンを使ってソフト的に測定することのできる機器が出てきた。それも、アマチュアが手を出せるような価格である。もちろん、プロが使うような精密なものではない。大まかな傾向を知ることができる程度なのだが、目に見えない回路の様子などを知ることができるのはありがたい。
 幾つか手に入れたのだが、その使い勝手に満足している。本格的な測定器のようにどっしりしたものではない。どれも基板だけという体裁である。ケースにすら入れられていない。プラスティックの板で挟んだんだけというくらい、実験室で使えればよいというレベルである。それでも、目に見えない世界の様子を見せてくれるのだ。
 Antenna Analyser アンテナの整合状態を調べるものである。本格的な測定器ではグラフ表示でそのアンテナの特性を表示し、どのように調整すればよいかの測定ができるのだが、この安価な機器はハムバンド毎に分けられた周波数帯でアンテナのSWRとインピーダンスを表示する。また、scan機能があり、そのバンドの中での最小値を探ってくれる。これらの測定からアンテナを長くするのか短くするのかを知ることができ、調整に役立っている。示される数字の信頼性は定かではないのだが、よりよい方向に調整できればよいと考えている。何よりも掌に乗る大きさで、手軽に使えるのが気に入っている。
 Oscilloscope 波形の様子をグラフ表示してくれる。大きく重たいのがこれまでの常識だったが、最近では液晶表示になり、ボード状の本格的なものも多くなった。アマチュア版で数千円で手に入れたのが、これである。測定範囲は限られるが、発振の様子などをグラフ表示してくれ、どの程度の強さなのかも知ることができる。これも携帯することができ、机上で気軽に使える。
 Transistor Tester 液晶表示によるテスターである。抵抗値やキャパシターの容量、インダクターの容量、ダイオードトランジスタの特性、FETやサイリスタの特性を図形入りで示してくれる。ピン接続がどうなっているのかを考えなくても測定端子に繋げるだけで示してくれるので便利である。
 実はOscilloscope2回目に購入したものである。この機種は大変人気があるようでフェイクが出ているとメーカーのサイトに警告が出ていた。私が最初に購入したキットは液晶のソケットが不良品で取り外したら基板のランドまで剥がれてしまった。また液晶のバックライトも壊れてしまったのでメーカーに補修部品の供給を打診したが無視されてしまった。海外からの直接購入はトラブルへの対処が難しいのだが、安価でとりあえず使えるものを手に入れるのには便利である。
 手の届かなかった測定器を活用することができるようになり、自作の楽しみも広がっている。設計通りに動いてくれないものを試行錯誤しながら、このような簡易測定器で診断し、宥めていくのも楽しいものである。