XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

キャンドルLED

candle_LED

 日暮れも早くなってきた。暖かな明かりが恋しくなる季節である。蝋燭のゆらゆらとした明かりは何とも郷愁を感じさせる。しかし、日常の生活の中ではだかの火を扱うのは難しい。防災の意味もあり安全が最優先されるからだ。
 「蝋燭もどき」をPWMの技術を使って明るさを段階的に制御しようとプログラム考えたことがあった。しかし、不規則に揺らめく様子を再現することは難しかった。「ほたるもどき」のようにある程度規則的な明滅なら出来たのだが、PICを使って、1/fゆらぎをさせることは私にはできなかった。
 先日久しぶりに秋月電子通商を訪ねた。店内の様子が全く変わっており、引き出しが整然と並んでいた。あの宝物を探すような雰囲気がなくなっている。わずかに昔の雰囲気を残していた店先の新製品のワゴンでおもしろいものを見つけた。「キャンドルLED ワームホワイト 」という製品である。5個入りで120円。以前に出ていたキャンドルICがLEDと一体になったもののようである。
 このLEDは3〜5Vの電圧で外付け部品なしでも蝋燭のようなゆらぎをするという。さっそく試してみると多少規則性が感じられるが、結構リアルなゆらぎであった。色も輝いている蝋燭に近いように思えた。
 電圧から考えると動作させるには乾電池が2本以上必要だが、1本の方が使いやすい。そこでjoule_thiefの回路を使ってみた。電池1本分の電圧を発振させることで昇圧する回路である。しかし、昇圧された電圧は脈流になっているので、以前のキャンドルICでは動作しなかった。ものは試しでこのLEDを使ってみると、動作することが分かった。どのような回路がこのキャンドルLEDに組み込まれているかは不明だが、脈流の電源でも動作するようである。
joule_thiefについてはXRQTechLabのページを参照されたい。FT37-43の巻き数だが、8回でも動作したが明滅が12回よりも早くなっているようである。これは起電圧の関係かも知れないが検証できていない。
 LEDには光拡散キャップを被せてある。単三乾電池を使ったのでちょうど蝋燭の大きさくらいにまとめることが出来た。和紙の筒を被せると雰囲気が出てくる。
 秋の夜長をこんな微かな明かりで楽しむのもいいものである。