XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

公園の鳥

シジュウカラの背中

 大雪の便りも少し和らいだようだ。陽射しも強くなり風がなければ暖かい。日一日と春が近づいている。しかし、寒さが厳しかったせいで梅や蝋梅などの開花が遅くなっている。

 この季節は木々の葉が少なく、鳥たちの姿が見つけやすい。公園の池や木々の中にもたくさんの鳥を見ることができる。自然を大事にしようとする気運が高まったので鳥たちを脅かすようなことが少なくなったり、住処になるような樹木を植え、餌になる実のなる木々を増やしたりした成果もあるのだと思う。
 それぞれの鳥には住みやすい条件があるようで、コゲラは1980年頃までは都会には寄りつかなかったという。それが徐々に都会の中でも繁殖するようになり、今では多くの公園でおなじみの鳥になっている。一説によるとコゲラの好むような太さに木が生長したので都会の中の公園でも繁殖するようになったのではないかという。
 一方で数が減ってきているのがスズメだそうだ。イエスズメといわれるように人間の生活と密着して繁殖してきたのだが、家々の造りがアルミサッシの使用や工場生産の部材使用などにより密閉構造になり、スズメの巣が作れなくなったのも一因ではないかと考えられている。
 よく見かけるようになったのがムクドリハクセキレイである。コンクリートの道路上まで降りてきて餌を探している。ヒヨドリは春から夏は山で繁殖し、秋から冬にかけて里に下りてくる鳥だったが今では年中見かけるようになった。カルガモは一年中池にいるし、カワセミも人気者である。
 こんなにたくさんの鳥たちが身近にいても、気をつけてみないとその姿に気づいていない人が多い。鳥の鳴き声も環境の一部になってしまい、どんな鳥がさえずっているのかも気にしないようだ。メジロシジュウカラはごく普通に見られるのだが木々の間をせわしく行き交い、直ぐに姿を見失ってしまうので気づきにくい。しかし、その姿を覚えてしまうと何ともかわいらしい。小さな身体で餌を探し回り愛くるしさを感じる。気をつけて見ていると図鑑とは違った姿を見ることがある。シジュウカラは白い胸のところに黒いネクタイをしているのが特徴だが、背中を見ると青灰色から黄色へのグラデーションが見られる。見る角度によって印象が変わってくるのだ。
 そこで写真に撮ってその姿を残したいと思うのだが、なかなか難しい。動きの激しい鳥たちを追いかけられないのだ。水鳥たちはゆったりと動いてくれるのでまだ撮りやすいが、木々の間にいる鳥たちには手こずることになる。双眼鏡やフィールドスコープでの観察も楽しいが、写真に残そうとする挑戦もなかなか奥の深い楽しみである。