XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

手賀沼散策

手賀沼遊歩道

 私の住まいから一般道を通っても2時間弱。手賀沼(てがぬま)は、千葉県北部、我孫子市柏市印西市白井市にまたがる利根川水系の湖沼である。
 Wikipediaによると「およそ2万年前、海面が著しく低下していた際に形成された下総台地の侵食谷が、縄文海進時の地盤沈降により溺れ谷となり古鬼怒湾と呼ばれた海の一部であったが、その出口を河川の運搬物(土砂など)がせき止めて形成された沼である。中世末までは香取海の入り江で手下浦(てかのうら)と呼ばれていた。」という。
 その後、農地を確保するための干拓が長年にわたって進められ、元の沼の8割ほどが埋め立てられ、現在では手賀沼と下手賀沼が残るのみになっている。干拓でできた大きな耕地に囲まれているのが下手賀沼で、手賀沼は北側は市街地で南側にはサイクリングロードや遊歩道が整備され憩いの場になっている。近隣には山科鳥類研究所やいくつもの公園が設けられている。
 手賀沼の真ん中当たりを貫くように県道8号線の手賀大橋があり、その際には道の駅「しょうなん」がある。ここの駐車場に車を置き、遊歩道を散策した。
 ジョギングやサイクリングを楽しむ人がほとんどだが、たくさんの野鳥を見ることができるので、双眼鏡やスコープを持った人を見かけることも多い。手賀沼付近で見られる野鳥を紹介したサイトもある。
 風は冷たいのだが、しっかりと冬装備を調えて「鳥見イング」に出かけてみた。
 沼のほとりのヨシの原には小鳥たちが飛び交っている。留まっている小鳥を見つけるのは難しいが、移動する鳥を目で追いかけるとレンズの中に取り入れることができる。ヨシの梢に止まり、枝をついばんでいる姿はかわいらしい。1羽見つかると付近には同じ種の鳥がいることが多い。枝から枝へ飛び移りながら餌を食んでいるようだ。種類によって枝の先の方にいるものと、地面に近いところにいるものがある。何気なく歩いているときには全く気づかない小鳥たちの存在だが、気をつけて見ていると次々の姿を現してくる。この日見かけることのできたのはオオジュリンシジュウカラ、スズメ、ヒヨドリカシラダカ、ベニマシコなどである。じっくり見ていると、それぞれに羽の色や模様がきれいである。
 一方、水面を泳いでいる鳥は見つけやすい。離れて見ている分には逃げることもなく、水に潜ったり水面の餌を食べている姿を見ることができる。この日は数も少なかったようで、見られたのはオオバンミコアイサ、カワウ、ハクチョウなどであった。水鳥は群れで行動し、近隣の餌場に出勤?しているものも多いので、数が限られているのかも知れない。
 3月11日の原発事故で放射性物質がこの沼にも流れ込んでいるという。物質は沼の底に溜まり、水によって覆われているので地表面の放射線量は少ないとのことだ。しかし、千葉県はモツゴ,ギンブナ及びコイについては放流,食用にしない,他の河川への移動をさせないように警告しているとのことである。水質改善への努力が続けられてきた手賀沼ではあるが、放射性物質の除去についても十分に対策が迫られている。

 散策を終えた後、その姿を思い出しながらあれやこれやと図鑑を見ながら鳥の名前探しを楽しむのもいいものである。