XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

100円グッズ 手動発電機

これだけの部品が入って100円

 台風9号の接近でやっと雨が降り、水不足で枯れ始めていた植物たちにも恵みとなった。ただ、集中的な降雨になったので大きな被害をもたらされた地域もある。被害に遭われた方々には恵みどころではなかった。荒々しい天候が続いている。
 台風は本州に上陸したあと静岡付近で熱帯低気圧になったとのことだが、北陸に上陸したのは珍しいことだという。今年の気象が例年とだいぶ異なっていることの表れのようだ。農作物や漁業にもいろいろな影響が見え始めている。生鮮食料品の値上がりも始まっっている。

 久しぶりに100円ショップをの覗いてみた。新しい商品が目をひく。その中の一つ、「手動発電2LEDライト」という商品を購入した。これは手のひらで握ることで発電し、LEDが点灯するというライトである。
 早速分解して中の様子を見る。写真にあるようにたくさんの機構部品とLEDライトで構成されている。2LEDとLR51が3個、そして2接点のスライドスイッチ、レンズ、反射板付きライト部分だけでも100円以上の価値があると思うが、加えて発電機が付いている商品である。
 発電機はコイルの上にドーナツ円盤状の磁石が回転する仕組みで、ギアにより可動部を握ることで高速回転する仕組みになっている。ギアは回転速度をあげるだけでなくカムにより同一方向に回転する機構も備えている。なかなか本格的なもので、この部分だけを取り出して活用するのもおもしろそうだ。
 
 発電機の性能を見てみる。ライト部分と発電機部分を切り離し、発電機の出力をダイオードを介して空気二重層キャパシタに充電してみた。100回握って電圧を測ってみると3.6Vになった。150Ωの抵抗を介して緑色LEDを点灯させると10分以上点灯している。電圧は低く、電流も少ないが回転数でカバーすれば発電機として十分使えそうである。回転部分を工夫してファンをつけ、風力発電をするのもおもしろそうだ。

 この商品は蓄電回路を持っていない。LEDを点灯させるには常に握る動作をしていなければならず、LEDの明るさも不十分である。内蔵のボタン電池で点灯させれば結構明るいのだが長時間の使用はできない。充電池か空気二重層キャパシタを追加すれば使い勝手がよくなりそうである。ただしケースの中にそれを入れるスペースを確保できるかの問題がある。<その後の実験:0.5Fのキャパシタに充電するように改造してみた。握る動作を50回以上繰り返さないと点灯しない。点灯の続く時間は30秒ほど>

 これだけの部品と機構が入っている製品が100円ショップで売られていることには驚くばかりである。製品としてよりも部品取りとして活用を考えて楽しませてもらおうと思う。