XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

intellgent LEDライトの修理

intellgent LEDランプ

相変わらず太平洋からの湿った暖気団と大陸側からの寒気団がせめぎ合っている。局所的に激しい雨が降り土砂災害が各地で発生している。荒々しい天気はなかなか収まってくれないようだ。「高気圧がどんと列島の上に居座ってぎらぎらと太陽が照りつける」という”夏”の風情はどこかに行ってしまったようである。これも温暖化による気候変動の表れなのだろうか。

intellgent LED lightという便利なものがある。cdsによる明るさ感知機能と焦電型赤外線センサーによる人間などの動体感知機能のついたLEDライトだ。辺りが暗くなると人の動きを感知して一定時間LEDライトが点灯し、自動消灯する。階段など緊急時に明かりがほしいところに設置しておくと便利だ。
我が家では廊下や寝室、階段など停電時でも危険を回避できるようこの装置をさまざまなところに設置している。そのうちの一つがいつの間にか動作しなくなっていた。そこで修理を始めたのだ。
しっかりしたケースの中に収納されているので、回路基板を取り出すのにどのしたらよいのかわからない。いろいろ試行錯誤を繰り返すうち、表側のカバーを外すことが出来た。内側の電池ケースの両端にある2つの小さな穴からピンセットの先を差し込み、押し出すことでカバーを外すことができる。カバーは左右2カ所の爪で留められている。
回路基板は両面実装になっていて、主にSMD(表面実装デバイス)が使われている。焦電型赤外線センサーの専用コントローラーのLP0001を中心とした回路のようである。このICのデータシートに記載されている参考回路と同じような構成だと思われる。レイアウトや実装の方法を見てもしっかりとした作りであることがわかる。

さて、動作をしなくなった原因を探さなければならない。多くの場合、部品の変質やはんだ不良などが目視で見つかることが多い。ルーペを使ってよくよく観察すると、ある部品に異常が見つかった。なぜこの部品が破損したのかは定かでないが、交換するしかない。手持ちの部品と入れ替えた。電池を入れて動作確認すると点灯し、所定の動作をしているようである。これでとりあえず修理完了とする。

このintellgent LED lightは秋月電子通商で600円で売られているものである。人の動きを感知するためのフレネルレンズだけを購入しても300円かかる。焦電型赤外線センサーやコントロールIC、その他諸々の部品やケース、さらに単四電池3本まで付属してこの値段で販売できるとは信じられない安さである。
また、この装置のデザインがおもしろい。コアラの顔に似ているのである。焦電型赤外線センサが内蔵されているフレネルレンズの部分が大きな鼻で、その下の小さな窓からは明るさを感知するcdsが覗いている。目の部分は白色LEDである。初見では奇妙に感じる顔だが、だんだんと愛嬌のある顔に見えてくる。
電池消耗はメーカーの説明では1回20秒の点灯で3000回使えるという。我が家でも電池交換は数ヶ月毎で足りている。小さな装置だが、通常の電源を失った場合にも、足下を照らしてくれる明かりとして頼りにしているものである。