XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

大地の変動

shig552008-06-17

6月14日(土)岩手宮城内陸地震が発生した。
通常の仕事に就いていたので、地震の発生を知ったのは昼近くになってからだった。地震発生時にこちらでも揺れを感じた人もいたようだが、大きな揺れではなかった。多くの方が罹災され、亡くなられた方や行方不明に方、怪我をされた方、避難をされている方がいる。哀悼の意を表するとともに、お見舞い申し上げる。

新潟中越地震でも阪神淡路大地震でもそうであったが、被害が甚大なところ程、情報が入ってこない。被害情報を把握し、救援・救助体制を整えるには既存の通信系に依らず、マクロな状況把握と積極的な情報収集活動が必要である。
被災した現場では応急対応に追われているので、救助要請すら出来ない場合がある。救助活動が早ければ早い程より多くの人命を救うチャンスがあることを考えると、防災体制について、この視点からの検討が必要である。

手宮城内陸地震は数万年に一度というきわめてまれに起こりうるという地震だったという。震源が8キロメートルというとても地表に近いところで発生し、内陸に向けて力の加わっていたプレートが逆断層として動いたようだ。プレート移動のエネルギーが貯まってくれば、いつかはそれを開放しようとするカタルシスが起こることは予想されるが、それがいつなのかはわからない。まして、数万年という長い年月で貯まってきたエネルギーが、この時代に起こるとは想像もしていなかった。
逆断層が地上に現れてきたという映像を見たが、わずかなずれであり、とてもこのような大きなエネルギーを持っていたとは見えなかった。しかし、観測されたガルは観測史上にも希な大きさだったという。山が崩れ、土石流となって流れ下った跡がある。道路が地面を切り取ったように落ちている。旅館が数十メートル押し流され、道路も移動している。
大地は不変不動のものという思いこみを見事に打ち破った。一瞬のうちに大地の様相を変えてしまうエネルギーを持っていることを見せつけられた。
造成や土木として人間の生活を便利に豊かにするために手を加えてきたが、そのような作為が自然の力の前ではほんの些細なことであることを感じさせる出来事であった。大地の変動は長い年月をかけて起こっていると思っていたが、この地震は瞬間的な出来事である。地形という自然の成り立ちを十分理解しないと、人間の力では太刀打ちできない変動に巻き込まれる恐れがある。
大きな地震を経験する中で、さまざまな対策がとられてきた。しかし、一番大事なのは自然の力への畏敬の念であるように思う。