XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

それぞれの役割

シダレザクラ

毎日地震が続いている。余震なのか、新たな地震なのか定かではないが巨大地震の影響で地殻の緊張状態が変わっているのだという。列島付近の緊張状態が平衡するまでにはまだまだ時間がかかりそうである。
 4月も半ばを過ぎたのだが、寒気が下がってきている影響で肌寒く、薄いコートを手放せない毎日だ。ソメイヨシノは葉桜になり、根元にはたくさんの花柄が積もっている。八重桜が満開になり一重のソメイヨシノとはひと味違った華やかさである。

 被災地の救助活動が続いている。ネットから読みとると、消防緊急援助隊や警察の広域緊急援助隊などさまざまな機関・組織が全国から参集し活動しているようだ。ネット動画では沖縄から消防緊急援助隊がフェリーを使って出動する様子や高速道のサービスエリアが各県からの援助隊でいっぱいなっている様子、被災地へ急行する車列の様子などが見られる。
 消防や警察、自治体などは所管する地域で活動するのが任務であるので、このような”派遣”に対しては兵站部隊を持っていない分さまざまな困難があるようだ。派遣要員の交代や必要物品の搬入など後方支援体制が重要になり、通常とは異なる体制を求められている。
 首相の意向を受けて急遽10万人体制での対応になった自衛隊の場合、その自己完結の組織を生かし広範囲に継続的な活動を行っている。今回のような未曾有の災害に対応するにはこのような組織が必要なのだ。

 防衛大学の生みの親、吉田茂元首相は1957年2月、第1回卒業式で次のような訓示をした。
 「在職中、国民から感謝されることなく自衛隊を終わるかもしれない。非難とか誹謗(ひぼう)ばかりの一生かもしれない。しかし、自衛隊が国民から歓迎され、ちやほやされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡のときとか、災害派遣のときなのだ。言葉をかえれば、君たちが『日陰者』であるときの方が、国民や日本は幸せなのだ。耐えてもらいたい」
 
 自衛隊の初動体制の素早さに内外で賞賛の声があがっている。実態に合わせた情報収集や出動準備に加えて、出動要請を受けてからの素早い展開、そして日常の業務を行いながらも半数にも近い部隊を災害対策へ振り向け継続的な活動をしていることへの賞賛である。
 
 被災地では初動対応としての自衛隊などの活動から復興という長期的な活動に移行し始めている。これからの主体は民力である。多くの力を結集し経済を活性化させ、新たな国造りを進めていきたい。