XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

HOLOHOLO

shig552006-05-13

せっかくの土曜日、あいにくの天候で弱い雨が降り続いている。気候が3月に後戻りしたようで気温も上がらない。昼過ぎまで仕事。対人交渉は神経が疲れる。遊びに出かける気分にもならず、一日が暮れる。

HOLOHOLOという水槽が机上にある。この水槽が来てからすでに1年以上が経過している。中には珊瑚の小枝とエビが2匹。我が家に届いたときには5匹のエビが居たのだが、現在は2匹に減ってしまった。
この水槽はこの中だけで生態系を形成している。エビは水槽の中側に生えてくる藻を食料にし、藻は太陽と、エビの排泄物、元々水槽の水に含まれている養分で生育する。つまり、外からの補給なしに生命が維持されるのである。ただし、厳密には日光と空気は補給されている。
当初、どのくらい保つか半信半疑であったが、エビの数は減ってしまったものの、1年以上にわたって生命が維持されているのには驚きである。エビの数が少ないためか藻が水槽の壁に生えていて全体が緑かかっているが、水自体は透明で導入当初と変わっていない。
死んでしまったエビの姿は全く見えなくなっているので、エビが食べてしまったようである。
小さな生き物ではあるが、水の中を泳ぎ回っている姿は心を和ませてくれる。全く手をかけることなく小さな容器の中で命が生き延びている姿には感動すら覚える。

それに比べ人間はなんと多量のものを必要とし、追い求めているのか。また一人では生きられず、集団を作り、争い、悩みを抱え込んでいることか。人間の営みなど全く関係のないところでこの水槽のエビのようにひっそりと暮らしている生命がたくさんいるのだろう。私たちの知らないそれぞれの営みがあるのだろう。
自分の知っている範囲内で世界を考えているが、実際には知らない世界の方が多いのかもしれない。想像力を働かせ、より大きな世界像を持っていないと井の中の蛙になってしまいそうである。

二匹のエビの雌雄はわからないが、もしこの二匹から新しい生命が生まれてきたら奇跡的な喜びになるであろう。このエビたちの長命を願いたい。