XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

今年も来襲

野鳥のえさ場に

冬至は過ぎたのだが、日本列島はしっかりと冬型の気圧配置に覆われ各地から大雪の便りが届いている。晴れた日には日差しに温かさを感じるものの風の冷たさは身にしみるこの頃である。
以前にも野鳥の襲来で庭の果樹がごっそりと食べられてしまったことがあったが、今年も襲われた。朝から鳥の声が喧しかったのだが、しっかり熟れた柿の実が一日で姿を消してしまった。もともと渋柿で手の届くところは収穫し、つるし柿にしていた木である。枝先の実は手が届かず、熟れるがままにしていた。鳥たちもよく熟して甘くなるのを待っていたのだろう。さまざまな鳥たちが代わる代わるにやってきて食べてしまった。
鳥たちの動きを見ているとそれぞれ序列があるようだ。この日はメジロオナガ、ムク、ヒヨが見られたのだが、メジロは朝の早い内に木に近づけただけで、他の鳥が来るようになると柿の木に近づくことができなくなってしまった。他の鳥たちは身体の大きさは同じくらいだが互いに牽制しあっていた。それでもオナガは気が優しいのかヒヨやムクが来ると枝を離れてしまう。ヒヨは単独行動が多いがムクは集団行動である。団体で押し寄せてきて他の鳥たちを追い払ってしまう。それでもヒヨはその中に割り込んでくることもあり気性の荒さが見受けられる。
木の近くを人が通ったり、物音がするとどの鳥も一斉の飛び立つので柿の木が留守になる瞬間ができる。すると、どこで見ていたのか、残された甘い柿に向かって鳥が舞い降りてくる。しかし、ひと口ふた口ついばむと次の鳥が来襲し餌場を譲ることになる。
こんな様子を部屋の中で見ていたが、夕方気が付くと柿の木には実が一つも残っていなかった。十数個はあったはずだが、鳥たちの旺盛な食欲に食べ尽くされてしまったようである。
その後、近くの公園を歩いているとどこか景色が違っていた。何が変わったのかよくよく見ていると、ピラカンサの実がなくなっていた。緑の葉と赤い実のコントラストがきれいだったのだが全く赤い色がなくなっていた。以前、ピラカンサの実は美味しくないので鳥たちも敬遠すると聞いたことがある。いよいよ食べ物がなくなって仕方なく食べるのがピラカンサだそうだ。それが全て食べられてしまった。まだ年が明けたばかりなのにこれほど食べ物が食い尽くされてしまって大丈夫なのだろうかと心配になる。
最近気になるのは、鳥たちの数の多さである。ムクやヒヨ、オナガが特に目立っている。以前は普通に見かけたスズメはほとんど見なくなってしまった。より大きな体のムクやヒヨが喧しく飛び回っている。オナガハクセキレイの数も増えている。生態系に変化が出ているようだ。一部の種が急激に数を増すと食糧が不足し、次第に減少に向かうという流れがこんな身近なところでも起き始めているのだろうか。
多様な生物層が調和をとりながら生存していく状況がその変化を早めているようにも感じる。地殻や気象変動と共に生物の様子にも注意を払わなくてはならないようだ。