XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

コンテストとQRP

コンテストを小さな設備で楽しませてもらっている。

 先日のコンテストに短時間だが参加した。特に今回のメインバンドは14MHzである。このバンドは海外などとの交信が多く行われていて、普段はあまり出てくる局が少ないのだ。コンテストなら多くの局が出てくるので、交信する機会が増える。もう一つ、コンテストに参加する利点は、どの局も数多くの局と交信することを目指しているので、微弱な電波でも状況によってはピックアップしてもらえるる機会があるのではと考えた。さらにハイパワーや強力な設備を整えた局も多く、耳の良さが期待できる。そして運用技術に秀でた方が多く、ノイズにかすれた信号でも解読してもらえそうだ。華麗な信号を送ってくる方々なので是非、QRPにお付き合い願いたいと思うのだった。
 そうは言っても、限られた時間内で交信数を競うコンテストなので、微弱な信号で相手局に手数をおかけし、邪魔にならないように気をつけなくてはならない。相手局の強い信号が聞こえていても、それはコンディションによるものではなく、ハイパワーと巨大なアンテナから放出されているからかもしれない。こちらからの微弱な電波はノイズに埋もれてしまう畏れもある。呼びかけをする場合には他の局と重なるようなタイミングは避けた方がいい。呼び掛ける局が徐々に減って相手局がCQを繰り返すようなタイミングを狙って呼びかけをする。一発で採ってもらえることは少なく、コールサインの一部と?が返ってくることがある。その場合繰り返してコールすることもあるが、あまりしつこくならないように気をつけている。貴重な時間を取らせてしまい相手局に迷惑をかけてしまうのは避けたい。こちらは交信したいという気持ちがあるので諦めるのは無念なのだが、そこはしっかりわきまえて無理な状態なら諦めるしかない。
 さて、今回のコンテストではおおよそ2W出力のQRP機にアルミワイヤーを輪にしてトロイドコアのリンクコイルから給電したMLAを部屋の中に設置して参加した。いつもは聞こえてこない信号がこの日はたくさん聞こえてきた。最初の交信局は東京の局だったが、その後四国、中国、九州、北海道など遠距離の局とも交信でした。さすがにナンバー交換で何度か聞き返されることがあったが、相手局の寛容と忍耐のおかげでポイントをゲットできた。強力に聞こえている局に呼びかけてもまったく反応がない場合が多かった。微弱な電波を相手局に気づいてもらうことは難しい。だが、幸運に恵まれ多くの局と交信をすることができた。QRPのおもしろさを味わったのだった。

 コンテストの趣旨は互いに競い合い、技能を高め、設備を工夫し多くの得点を得ることである。しかし、それに逆らうように貧弱な設備で参加するのは、得点よりも交信できるというそれ自体を楽しむためである。普段アクティビティーの低いバンドでも交信チャンスがある。その時間、その周波数にたくさんの局がいることで交信できるチャンスが高くなる。邪道かもしれないが、こうした楽しみ方も受け入れてくれるのがアマチュア無線である。