
部屋の片づけをしてキーボード操作のキーヤーを見つけた。UNOやnanoのシールドとしてではなくATMega328pを単体でArduino機として、簡易な構成で動作させることに凝っていた時期に作ったものだ。PS/2キーボードに4本の線で接続するだけでK3NGキーヤーを操作することができる。今ではログアプリの中にこの機能が組み込まれていてキーボードの操作でログの記録からモールス符号の送信までを行うことが普通になっているが、これを作った頃はまだその過渡期だった。まだPCとキーヤーの接続はアダプターを介して行うことが一般的でログソフトとの連携はまだ行われていなかったように思う。
久しぶりに通電して使ってみた。K3NGキーヤーには驚くほどたくさんの機能が搭載されていて、ATMega328Pを使ったArduinoではメモリーが十分でないようになっていた。UNOやnanoで動作させるにはさまざまな機能を取り外し、機能を絞った構成で組まなくてはならなかった。そのためディスプレーも省かれていて、通常パドルで行う操作をキーボードで行うのみのシンプルな仕様になっている。キーボードの文字ボタンや数字ボタンを押すとそれに対応したモールス符号が送出される。キーボードはUSB接続ではなくPS/2という仕様のものだ。キーヤーには4本の線で接続されている。キーヤーのメモリーはキーボードのF1~F12に割付られていてメッセージを収納できる。ここに定型文を入れておけばファンクションキーを押すだけでラバースタンプQSOは出来てしまう。符号の送出速度も上下の矢印キーを使って容易に変えることができる。
XRQTechLagの製作記事
実際の交信で使ってみる。移動局を見つけ、こちらのコールの入ったファンクションキーを押す。何回か呼び掛けるうちに相手局からコールバックがあった。599などのレポートが入ったファンクションキーを押す。相手局から了解した旨の信号が届き、TNX GLなど感謝の挨拶の入ったファンクションキーを押す。そしてE Eとお別れの信号を送って交信が終わった。キーをいくつか押す操作だけでの交信である。何とも味気ない。しかし、効率的ではある。メモリーから符号が送出されている間にログブックに記入することができるのだ。
この装置はリチウム電池での駆動になっているので屋外への持ち出しもできる。今ではこのような操作はノートパソコンを持っていけば済むことではあるが、こんな手作りの装置で手書きログの運用をするのも面白い。
電信は電波の断続で符号を作り交信する。とても手作り感のあるモードである。電鍵がパドルに替わり自動化が進んではいるが、自動化がどの程度までなら人と人とがやり取りするモールス符号の醍醐味が味わえるのか微妙である。
昔の工作を弄びながら電信の奥深さを考えたひと時であった。