新しい使い方を見つけた。普通は捨ててしまうものの再利用である。ペーパークリップを使ってモールス符号を生成するパドルを作ってきたのだが、それをしっかりと握るためにアクリル板を加工して持ち手としていた。アクリル板は工作がしやすく便利なのだ。ある時、文具入れの中で同じくらいの大きさのものを見つけた。シャープ替え芯を入れるケースである。Pentel Ain STEINというもので楕円形の円筒で手になじみがいい。大きさも手頃である。厚みは6mmほどで握るにもちょうどいい。ペーパークリップを噛ませてみると、しっかりと固定される。楕円形なので不安定化と思ったが杞憂であった。
このシャープ替え芯ケース、おもしろい構造をしている。ふたの部分を捻ることで替え芯が出てくる小さな口が開く。その回転部分にクリック機構が仕込まれていて、捻った状態が保持されるのだ。そして、そのふたの部分の幅が20mm幅のペーパークリップを噛ませる部分と同じになる。長さもぴったりなのだ。つまり、この部分にペーパークリップを噛ませれば、手でケースの身の部分を保持して、パドルに操作しやすい角度をつけることができるのだ。
早速パドルをペーパークリップで機構部を作り取り付けてみる。キーヤーとパドルの機構部を接続するための3芯のコードはケースの身の部分に沿わせ、上から熱収縮チューブで固定した。握り心地は楕円形の形状なので掌にぴったりホールドすることができる。クリックのある蓋に取り付けたパドル部を捩じり、操作しやすい角度に調整する。アクリル板を使った一直線のものより角度がある分、指の動きがスムーズで操作しやすいように感じた。 ペーパークリップパドル
シャープ替え芯のケースは紙筒や四角いプラケースに入っているものが多かった。こんなしゃれたケースは過剰包装のように感じなくはない。しかし、しっかりデザインされていて高級感があり、このまま捨ててしまうのは惜しい気がしたのだ。
今回はシャープ替え芯の容器を再利用と言うことで使ったのだが、身の回りにはデザイン性の高いものでも使い捨てになっているものが多いように思う。使い道さえ見つけられればリユースできる。ものを捨てない、増やさない生活を目指したいものである。