XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

K3NGキーヤーを使ってみて

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K3NG keyer by XRQTechLab


 このところ、ハイバンドが開けることが多くなり、いろいろなバンドで楽しんでいる。私の設備は大変シンプルなので、電離層などの自然の条件に依存するところが大きい。コンディションがよければ数ワットの出力とワイヤーアンテナからでも国内全域から近隣の国々まで伝搬してくれる。時には地球の裏側まで届く。自然相手の楽しみである。

 K3NGキーヤーを使っているのだが、その個性がだんだんと見えてきた。このK3NGキーヤーはとても多くの機能を持っているのだが、私の作ったものはそのごく一部の機能だけで動作させている。そのため、一番容量の小さなATmega386Pを使ったAruduinoUNOと同様な構成である。K1EL Winkey1,2エミュレーション機能やctestwinとかでusbif4cwような使い方が出来る機能もあるようだが、私はメモリー機能だけしか使っていない。
 LCDを使うと多くの表示ができるようになり便利だと思ったのだが、実際に使ってみるとあまり有用だとは思えなかった。LCDに表示されるのはコマンドモードに入ったとき、どのコマンドかが表示され、設定変更した場合はその設定が表示される。また、デコーダー機能があるため、パドルから入力した符号が表示される。メモリーからの送信の場合にもその出力符号が表示される。しかし、通常の使用に於いてこれらの表示がなくても不便はない。コマンドなどの状況はサイドトーンで知ることができるからである。
 LCDをつけることにより消費電流が増えるデメリットがある。DL4YHF  WolfgangさんのPICキーヤーでは消費電流が大変に少なく、自動的にスリープモードにはいることもあり、ボタン電池でも数ヶ月以上使うことができる。そのため電源SWを省略している。しかし、K3NGキーヤーはArduinoで動作させているので結構消費電流は大きい。LCDを使えばさらに大きくなる。そのため単三乾電池を使っても電源SWが必要である。
 VRを動かすことによって可変できるスピード範囲を設定できるのは便利である。DL4YHFキーヤーではVRの前後に抵抗を付加することで可変スピードの領域を設定するのだが、K3NGキーヤーではスケッチを変更するだけで設定できる。
 TX出力を選択できる機能は便利である。私はその一つにリレー出力を組み込みこんでいる。複数のTXで使う場合にも、切り替えが容易である。
 K3NGキーヤーの最大の利点は機能のほとんどをプログラムで行っており、ほんのわずかな部品で構成することができることだろう。もの作りが楽しめる。
 これまで何台か製作し使ってきたが、動作が思い通りでないことがあった。そのようなとき、ハンダ付け不良や接続誤りが一番疑わしいのだが、このキーヤーには様々な機能が組み込まれているので、設定が正しいかを見直し、スケッチを書き換えてみるのも解決への道であった。


 このような高機能のキーヤーを使わせてもらえることに感謝し、これからも電信ライフを楽しんでいきたい。