XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

地震の予知

shig552008-07-25

 先日の夜半の地震には驚かされた。これまでの地震とは微妙に揺れ方が違う。棚の置物などがガタガタ揺すられる揺れ方ではない。家全体が揺れているのだが、自分自身が揺さぶられているような揺れ方であった。
 慌ててテレビをつけた。まだ通常の番組だったが程なくして、テロップが流れ「東北地方で強い地震があった」ことがわかる。程なくして番組が切り替わり地震対応の放送になった。震源地の情報と、各地の震度が示されていく。八戸沖の太平洋が震源地のようだ。盛岡のモニターカメラの映像が再生されている。激しい揺れだが、写っている街の様子は電灯がついたままである。地元テレビ局の報道室モニターカメラの映像も再生される。机上の書類が左右に揺れ、幾つかは床に散乱している。
 夜が明け、被害状況が次第に明らかになってきたが、数百人がけがをした模様だ。建物の損壊はあまり多くはないようだ。震度6強という激しい揺れの割に構造物の倒壊が少ないのがこの地震の特徴だという。
 震源の深さが100km以上という深度であり、揺れの周期がたいへんに短い揺れであったことがわかってきた。これまであまり経験したことのない揺れである。緊急地震速報でも蓄積データが少なく、これまであまり知られていない地震だったという。速報の精度を上げるためにはさらに研究が進められなければならない状況だ。

 地震のメカニズムはわからないことだらけのようだ。P波、S波などわかってきたことから地震速報のシステムが作られたが、その中に織り込まなくてはならない要因がまだまだたくさんある。緊急地震速報に対して「精度が悪い」「誤報が多い」など批判が出ているが、研究途中の取り組みとして大事に育てていきたい技術である。

 デジタル的な思考が多くなり、ゼロorナッシングの意見が多いように思う。地震のメカニズムを解明し、その発生を少しでも早く知ろうとする技術が日の目を見たのはごくごく最近のことである。パーフェクトを求めるのは無理な話だ。理論だけでは自然界の現象は太刀打ちできない。あまりにも関連する要因が多すぎるのだ。地震予知は被害を少しでも少なくするために是非欲しい情報である。少しずつでも精度を上げていくよう研究開発を続けて欲しいと思う。