XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

道具をそろえる

shig552008-07-21

関東地方も梅雨明け宣言が出されたようだ。天気の動きを見て「梅雨が明けたと思われる」というコメントが梅雨明け宣言となる。大気の変動が激しく、夕立や豪雨が続き、大雨洪水警報までが頻繁に出されるこの頃である。

この暑さでそろそろ収穫が出来るだろうと、毎年行っているブルーベリー農園に行ってきた。ねらったとおり丁度よい実り具合だった。まだ青い実もたくさんあるものの、濃い紫色に熟した大粒の実をしっかり味わってきた。入園料を払い、摘み取っただけ購入するシステムだが、近くの農産物販売所よりもずっと安価である。なぜなのか摘み取りをしてみて実感した。ブルーベリーの実は一粒一粒手摘みをしなくてはならない。大変な作業なのだ。よく熟した実を選びながら、摘み取る。軽く触るだけで実のほうから落ちてくる状態なので、力はいらないが小さな実を採るのは大変である。おいしそうな実をいくつか摘み取り、口に放り込む。酸味とあまさ、香りが口いっぱいに広がる。次に摘み取ったものは籠の中へ。そしてまた口の中へと、約2kgを摘み取るのに1時間以上かかってしまった。炎天下での作業を毎日続けなければならないのだから、市販されるブルーベリーが高価になるのは致し方ないのだ。ブルーベリー摘みは、安さもあるが摘みながら味わう新鮮なおいしさが醍醐味である。

ホームセンターを巡っていて、また新しい工作を思いついた。超小型のパドルである。モールス符号を打ち出すのは今ではエレクトロニックキーヤーを使うのが一般的である。そのときに短点と長点を送出するのがパドルである。
L金具にトランシーバーとパドルを結ぶプラグを直に取り付けるというのが今回の私のアイディアだが、それを実際のものにする過程で大きな壁になったのが道具探しであった。
プラグにはネジが切ってあり、カバーを付けるようになっている。このプラグのネジを利用するように、L金具にタップを立てればプラグの固定が出来る。測ってみるとネジの大きさはM8だということがわかった。早速ホームセンターに行きハンドタップを手に入れ、L金具にタップを切ることが出来た。そしてプラグを入れようとしたのだが半回転したところで止まってしまう。ネジが合わないという状態である。再度ホームセンターに行きM8のビスと合わせてみる。するとビスはしっかりとL金具に入っていく。「なぜ?」と辺りを見回しているとビスの置いてある棚に小さく「細目」という表示があった。同じ径のネジには、ピッチの異なるものがあるということが判明した。
M8で購入したタップはピッチが1.25mmというもので、これが一般的なのだが、細目といわれるものはピッチが1.0mmのものなのだそうだ。プラグのピッチはこの1.0mmだったのである。それではと1.0mmピッチのタップを探したが、その店では扱っていないという。カーナビで検索し、近隣の店をいくつか回ることにする。約半日探し回ったのだが、見つけることが出来なかった。仕方なく、ネットで検索し、やっと見つけて購入することが出来たが、大騒ぎの一日になってしまった。
もの作りをしようとすると道具が必要である。本来、職人は自分のやりたいことを念頭に道具を考案し、道具を作ることから仕事が始まったという。道具がなくては自分のやりたいことが実現できないのだ。
手作り職人さんの作業場を見るとたくさんの道具が並んでいる。一つ一つの行程で道具を換えながら作業を進めている。道具は手指の延長として職人の思い通りに機能するものだからこそ、その人独特のものになっていく。

一つのアイディアが形になるためには、道具が不可欠である。アイディアが涌くたびに道具が増え、部屋の中にあふれ出す。さてさて、こうして増えていく道具たちの将来は・・・・・