XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

ジャワ島地震

shig552006-05-30

インドネシアのジャワ島中部で27日、午前5時54分(日本時間午前7時54分)頃、マグニチュード6.2の地震が発生した。
朝のニュースで地震発生を知ったが、被害状況についてはなかなか入ってこなかった。その後日を追うごとに死者の数が増え、本日現在では5000人を超えてしまった。現地はこのところ天候が悪く、多くの家が損壊し、食糧など支援物資も届いていないという。
被災された方々には心よりお見舞いの気持ちを表したい。

29日になってインドネシア政府から支援要請があり、自衛隊の先遣隊が出発した。スマトラ沖地震救援のため同国に滞在していた日本赤十字社スタッフが現地入りし、医師と看護師も現地の病院への支援に動いているという。
大規模災害が発生したとき、現地からの情報はなかなか伝わってこない。被災してからすでに3日、亡くなった方の埋葬を急がないと感染病などの心配も出てくる。組織的な機動力を持った組織が迅速に動く必要がある。自衛隊では数百人規模の救援隊が中部方面隊を中心に準備を進めているそうだが、活躍を期待したい。

日本でこのような災害が起こった場合、緊急消防援助隊が現在2800隊ほど組織されていて2008年までには4000隊に増強されるとのことである。しかし、基本は消防隊であるので車両による移動が基本であり、救援・消火活動が中心である。長期にわたる活動では隊自身の人的補給や物資の補給体制など兵站機能を持っていない弱点がある。静岡で行われた全国訓練でも消防車にテントを積み込んで参加した程度の状況であったという。
警察でも広域緊急援助隊を組織しているが、消防よりも小規模である。
さまざまな機関が連携することが必要であるが、発災当初の社会機能が麻痺した状況の中では、自己完結型の組織が必要である。そこで、自衛隊の出動となるのだが、国内災害では数百人規模で収まるはずはなく、数万規模の動員が必要である。それも時間をおかずに現地に入っての救助救援活動が行える組織にしておかなければならない。
外部からの救援と、その地域ごとの備蓄、救援訓練、救助体制の備えとの両面から準備をしておくことが大切だと考える。災害の時のためだけではなく、日常生活に中にとけ込んだ対策が有効である。身の回りを見回したとき、まだまだやっておかなければならないことがたくさんある。

インドネシア赤十字は救援物資とともに数百の遺体袋を現地に送ったという。現実は厳しい。冷厳な現実に立ち向かっていくのが人間の生き方なのだと思う。