XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

トラブルシュート その4

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Whip Ant Dpもどき

 外出自粛が続いている。都県を跨いだ移動は心理的な圧迫があり出来そうもない。東京では他府県ナンバーが走っていても何の違和感もないが、地方に行くと練馬・品川・足立など東京のナンバーを見かけるとあまりいい顔をされなくなっている。早く収束してほしいものである。

 野外運用に出かけられないので、部屋の中での実験をしている。以前作ったアンテナのテストをした。2本のホイップとチューナーを組み合わせて複数のバンドに出られるようにしたものである。バンドを設定しリグにつないで運用していると急にSWRが上がってしまう現象が起きた。リグから取り外し、測定してみると正常である。繰り返していると時々思いもよらない値を示すことも出てきた。どこか不具合が起きてしまったようである。 簡単な回路なのですぐ見つかるだろうと、ケースを開けてみる。目視で確認するが外れている個所は見当たらない。中身の見えない部品はポリバリコンだけである。リグの出力を大きくして送信した後、不具合が出ていたようにも思う。内部の絶縁が損傷してしまったのだろうか。ともかく、2つのポリバリコンを交換することにする。
 交換が終わり、動作確認をすると正常に働くときもあるのだが、時々不具合が起きている。ポリバリコンが原因ではなかったようだ。作業を進めているとき、1本の線が外れていることに気づく。配線については何度も確認しているので外れたのは直前のようだ。改めてハンダ付けをして接続するとそれまで起きていた不具合が起きなくなった。その配線はコネクタのGNDに接続される配線だった。これが接触するか離れるかという接触不良の状態になり不具合が起きていたようである。目視ではわからなかった。線が外れて初めて確認できた不良個所である。
 トラブルシュートの基本は目視ではあるが、目視ではわからない接触不良もある。テスターを使ってしっかり導通を確認していればわかった不良である。また、正常に動作するときと不具合が出る時の状況から考えればこの接触不良は想定できたはずである。しかし、回路が単純で安易に取り組んでしまった結果、部品交換など余計な作業をしてしまった。基本通りの手順を踏んでいればと反省する。
 
 改めてこのアンテナをテストした。40mから12mまでのバンドで整合が取れることを確認する。短いホイップであるので効率という点ではあまり期待できない。高い周波数ならそこそこ飛んでくれそうである。部屋の天井から吊るしたこのアンテナでコンテストのCQを出している局に呼びかけてみる。何回かの呼びかけで応答がもらえた。山の上などロケーションの良いところで使ってみたい。一日も早く移動自粛が緩和され、この鬱陶しい雰囲気が晴れることを願いたい。