XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

復興丼

復興丼

 関東地方に続き、東北方面も梅雨が明けたという。例年よりもだいぶ早い梅雨明けである。このところ連日猛暑が続いている。陽射しが強く肌を刺すようである。湿度も高く粘り付くような暑さだ。水分補給に気を付けているが、熱中症予防にはそれだけでは足りなさそうだ。
 皆が協力しているので電力事情は警戒水準にはなっていないが、暑さがさらに増してくると危機的な状況になりそうである。暑さに身体を慣らし、小さな工夫を積み重ねて乗り切るよう頑張らねば・・・

 先日、千葉県の旭市に行った。銚子を少し南に下がったところで津波の被害が大きかった街である。
 街の中心部を通り過ぎた。市役所などがある地区には「がんばろう旭市」などの掲示が見られた。街中の様子にあまり被害の様子は見られない。海岸に向かい、矢指ヶ浦海水浴場への道を進む。海岸への道の脇には「通行不可」の標識があったが道路は閉鎖されていないので先に進んだ。海岸に沿った道は車がすれ違えるほどの広さがある。しばらく進んだところで橋が壊れ、通行できなくなっていた。その地点から引き返して途中の駐車場に車を入れる。サーフィンをしている人たちがいるが時期が早いのか海水浴をしている姿は見られない。駐車場の路面はしっかりしているのだが周りにあるトイレや休憩所などの施設、海岸への通路などには破壊されたあとが見られる。これでは海水浴場として使用するのは大変だろう。
 海岸から離れた道路に戻り、飯岡漁港方面へ向かう。漁港に近づくと海岸に面した家々が被害の大きさを見せている。更地が多いのだ。ところどころにある家々の窓や出入り口にはブルーシートが張られたり、合板が打ち付けられたりしている。壁に大きな穴が開いている家もある。さらに大きな被害を受けた家々はすでに片づけられ更地になっているようである。
 飯岡漁港に入る。一見すると接岸岸壁には大きな被害はないようだが、岸壁のいたるところに漁網や漁具などが山となっている。沖合にあるテトラボットはその役目から整然と並んでいるはずなのだが、大きな力で崩されてしまったところが見られる。漁港に見られるはずの小さな船の姿がない。大きな船が何艘か繋がれていたが、港としての活気が見られない。この時期、入梅イワシの漁期で賑わっているはずなのだが、この被害のため銚子港への水揚げとなっているとのことである。
 飯岡漁港から銚子方面に向かい、右手に曲がって刑部岬へと進む。景勝地屏風ヶ浦の上、北端にあたるところである。ここから飯岡漁港全体の様子を見ることができるのだ。今は穏やかに見えるのだが、あの日、一面が波に覆われたのだ。
 展望館から少し下ったところに「海辺里」という店がある。今回の震災の復興を願ってこの店のご主人が呼びかけて「復興丼」を始めたという。地域の店がそれぞれの丼を提供して復興に協力しているとのことだ。店には3月11日の様子が写真で展示されていた。津波の第4波が一番大きく、街を襲ったのだという。写真からでもその恐ろしさが伝わってくる。
 多くの街が被害に遭い、それぞれの復興に進んでいる。自分のできるところから共に進んでいきたい。