XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

ディサービス

 台風一過。雲はあるものの青空が見えている。夜半には激しく雨戸を打ち付ける雨音と風の咆哮が激しかった。強風で家が揺すられ、早く台風が過ぎ去ってくれることを祈っていた。今朝、家の周りを見て回ると幸いにも大きな被害はないようだが、報道では土砂崩れや出水の被害が出ているようだ。台風が6月に本土に上陸し縦断するのは珍しいようだが、これも地球全体のバランスに変化が起きていることに起因しているのだろう。

 私の母は近くの畑を借りて花や野菜を作るなど元気だったのだが、年齢とともに足腰が弱くなり、畑仕事をやめてしまった。その後、家の周りで草花の栽培や蘭の育成をしていたのだが、だんだんに花作りへの意欲も衰えてきた。窓から外を眺めていくことが多くなり、身だしなみへの関心も失せてしまった。
 支援センターに相談し、ディサービスを受けることにした。
 ケアマネージャーをお願いし、近隣にあるいくつかの使用可能施設を訪問、説明を聞きながら母の状況にあった施設を探した。さいわい身近なところで受け入れてくれるところが見つかり契約をした。
 最初は週に1回の利用だったが、慣れてきたところで週2回の利用に増やした。朝、車いすでの乗車が可能な車で迎えに来てくれ、夕方、玄関先まで送り届けてくれる。
 ディサービスを受けることでの変化として次のようなことがあった。
1) 出かける日にはしっかりと着替えをし、鏡に向かって身だしなみをそろえている。外に出るという機会があることで、気持ちが前向きになっているようだ。
2) 家族以外の人と出会うことで話題が豊かになる。「こんな話を聞いたよ」「こんなこともあるんだって」と関心が外に向かうきっかけとなっている。
3) 生活のリズムをつくる。「今日は○○園に行く日だね」と曜日の感覚が戻ってきて、一週間のリズムを作っている。家にいるときにはなかなかベッドを離れないこともあるが、ディサービスに行く日には早々に支度を始める。予定があることで張り合いになるようだ。
4) 「今日の昼ご飯は○○が堅くて食べられなかった」「おやつの○○はおいしかった」と家庭以外での食べ物に触れることができる。家での食事が当たり前になってしまうとその有り難みを忘れてしまうのだが、外で食事をする機会を持つことで改めて家の食事を見直すことができるようだ。
5) ディサービスではいろいろなプログラムが組まれている。口腔管理や体操、工作や音楽、参加者同士の交流もよい刺激になっている。生活に変化が多いことで興味関心が活性化されているようである。
6) ディサービスに行く本人だけでなく、家族にとっても有効に使える時間ができる。母を一人で家においておくことはできるだけ避けたいので、調整をして誰かが家にいるようにしている。しかし、どうしても調整が付かないこともあるので、ディサービスに行っている間に用事を済ますことにしている。日中のほんのひとときだが、介護から解放される時間は貴重である。
7) ケアマネージャーと定期的な相談ができる。介護は初めての経験であり、未知なことが多い。困ったことについて相談に乗ってくれ、適切なアドバイスをいただけるのはありがたい。介護保険など社会資源のサービスも充実してきているが、どのように利用したらよいのかもケアマネージャーから教えてもらうことが多い。

 このようなサービスを受けられることをありがたく思う。そしてその立場になってみないとわからないことが多いものだと改めて感じた。