XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

勘違い

同じような黄色い花

 関東地方も梅雨入りとの報道があった。夕べは結構降ったようだが、今朝は真っ青な空が広がり、アジサイが鮮やかだった。爽やかな休日を過ごせたのだが夕方になると黒い雲が広がり、大粒の雨が降ってきた。梅雨の雨とは趣が異なる雨である。今年の梅雨はこんな荒々しいことになるのだろうか。

 この季節には鮮やかな色を楽しませてくれる花々がたくさんある。紫陽花は土壌の状態が影響するようで、青から赤にかけてさまざまなものがある。緑が強いもの、花の集まりの周りだけに色が出ているもの、全体が大きなボールのようにまとまっているもの、また真っ白なものもあり目を楽しませてくれる。
 垣根や歩道の脇などに緑の葉の中に鮮やかな黄色い花を咲かせるビヨウヤナギという低木がある。緑と黄色の鮮やかな対比でとても目立つ。美容柳というおもしろい名前なので、柳のような長い葉の「美容」と覚えていた。街の中で黄色い低木に出会うと、いつもこの名前が浮かんできていたのだが、よく似た別の植物があったのだ。
 それはキンシバイという植物で遠目にはビヨウヤナギと見間違えてしまう。金糸梅と言われるように、中国から渡ってきた植物で花はウメに似ている。葉もどちらかというと丸みを帯びており、葉は対生だが羽根のように広がっているものが多い。
 ビヨウヤナギは花の形は5弁の花びらが開いており、ウメのように重なっていない。細く長いおしべがたくさん出ている。葉の付き方も対生だが、一つおきに90度ずれているので、枝を取り巻いているように見える。

 二つの植物を比べてみればその違いは歴然である。しかしこの季節に鮮やかに花開く黄色い花としてビヨウヤナギを覚えていたので、どれも同じように考えてしまっていたのだ。とんだ勘違いである。
 私たちは自分の持っている知識の中で物事を見ているのだが、生半可に見ているととんだ勘違いをしてしまいがちである。先入観で見るのではなく、一つ一つをしっかり見ていくことが大事なことだと自戒した出来事である。