XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

なに これ!図鑑

桜の木の中から桜の木が

平地でも木々の葉が色づき秋が深まってきた。桜の葉がとてもきれいに色づいている。黄色から朱がかった赤、そして褐色へとさまざまな色の葉が散っている。さまざまな色が重なって路上を埋めているのがきれいに感じるのだろう。きれいな色の葉を探しているとどの葉も一長一短で、これぞと言うきれいな葉にはなかなか出会うことができない。マスの美しさなのだろう。

街を歩いていると「なに、これ!」というものに出会うことがある。今回出会ったのは桜の木の幹である。落ち葉がきれいだと眺めていると、おかしなところに気が付いた。幹が破られて中から細い幹が覗いている。幹から枝が出ているのは普通のことだが、枝ではなく別の木が幹の中から出てきているのだ。
寄生植物として、根をほかの木に巻き付け、その親となる木から養分をもらっているものがあるのは、これまでも見たことがある。しかし、これは根元の方から細い木が樹皮と木部の間を目通りの高さまで伸びていて、そのために樹皮が内側から押し破られているのだ。その細い木には葉も少し付いていて葉の形から判断すると桜のようである。
つまり、桜の木の幹の内側に何らか理由で「種子」が入り込み、発芽し、樹皮と木部の間を通って成長し、ついには太くなってきたため樹皮を破いて出てきたように思えるのだ。
映画ではエイリアンが人の身体の中で成長し、身体の中から顔を出すシーンがあったが、それと同じようである。
散歩の中で、気づかなければそのまま見過ごしてしまいそうな、こんなおもしろいものを見つけるのも楽しい。見えていても見ていないことが多いので、そんな視点でどのように解釈するかが、「なに、これ!」のおもしろさである。
私のホームページに、この「なに、これ!図鑑」を作っている。何気ないものを見方によっておもしろくするのも楽しい。身近な景色の中の発見である。