XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

Photo Book 2

庭の花たちのアルバムを作ったのだが・・・

 Photo Bookを作った。これまでもいろいろなテーマで作ってきたのだが、今回は2022年春、我が家の庭で咲いた花たちをテーマにしたものである。だが、このアルバムを数年後に開いてみる時、どんな思いを湧き上がらせるのだろう。

 崩れ落ちた建物、原形をとどめないほど破壊された街。人間が抗うことのできない自然災害への備えをしなければならない時、このようなことが起こった。歴史から自らの過ちを学んできたはずなのに。21世紀になってもこのようなことが起こるとは思ってもいなかった。人間はこれほどまでに愚かだったのかと暗澹たる気持ちになる。悲惨な状況の中でがれきの中からアルバムを探し出し、見入っている人の姿が報道された。3.11のときの情景と重なって心が締め付けられる。
 アルバムは記録である。その記録が記憶を蘇らせてくれる。人への思いやその時の状況が心に蘇るのだ。
 
 コロナ禍で外出がままならず、食料を買い出しに行く以外出掛けることを自粛していた。小さな我が家の庭が行動領域になっている。個人的にもさまざまなことがあり庭の手入れも満足にできなかった。ほとんどの植物が冬枯れの荒れた状態になっていた。それでも寒さが薄らいで来るに従い徐々に緑が復活し、花を咲かせるようになった。それぞれの植物が花を咲かせるのは一時である。その一番輝くときに出来るだけ写真に収めるようにした。精一杯の輝きを見せてくれる命の姿をしっかり受け止めておきたかったからだ。花々の輝く姿はパワーを与えてくれるように感じるのだ。
 
 庭の草木に春が訪れ、芽吹き、蕾が膨らみ、花開いている。輝くその姿を写真にしたのだが、素直に花を愛でる気持ちになれなかった。その可愛さや美しさを心から受け入れる余裕がないのだ。
 抗えない自然に対してなら諦めもつく。人間の愚かな行いによって引き起こされた出来事には諦めでは片付かない気持ちがある。何とも空しいのだ。より豊かな安心して暮らせる社会を目指して世界は努力してきたはずである。さまざまな個性を持った花たちが咲き誇る世界を目指したはずだ。猫の額ほどの小さな我が家の庭に咲いた花たちのアルバムは人間の世界の醜い状況とあまりにもかけ離れている。

 一刻も早くこの状況が収まり、心から花々を愛でることが出来る世界に戻ることを願わずにいられない。

NO WAR. NO INVASION.
Нет войны,  Нет вторжения       
没有战争。 没有入侵