XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

水中シャボン玉

shig552009-10-13

 各地から花の便りが届いている。花の便りというと春のようだが、秋もまた花盛りのようだ。曼珠沙華が真っ赤に地面を覆っていたのはつい先日。高麗の巾着田の大きなポスターが各駅に貼られていた。日立かいひん公園ではホウキグザが赤く色づいているという。春に瑠璃唐草(ネモフィラ)が真っ青に覆っていた丘が赤く色づいているようだ。ホウキグサの柔らかな緑もすてきだが、赤く色づいた景色も圧巻のようだ。


 水中シャボン玉を初めて見たのは、筑波の研究所一般開放を訪れたときである。JAXAであったか、産総研であったか定かではないが、研究施設を訪ねたとき見せてもらった。
シャボン玉はシャボン液をつけたストローをそーっと吹き、シャボン液の薄い膜で風船のような球体を作るのだが、この水中シャボン玉は水の中にシャボンの球体を作るのだ。球体の中は水なのだが外側の水との間にシャボン液と僅かの空気の層が入ることで球体ができる。
 作り方は簡単で、シャボン液の入ったコップにストローを差し込む。深さは約2cm程度。ストローの上の部分を指の腹で塞ぎ、ストローを引き出す。そしてコップの水面すれすれにストローの先を近づけ、そっとストローを塞いでいる指を放す。すると、ストローの中のシャボン液がコップの中に落ちる。このとき空気を巻き込んで水中シャボン玉ができる。
 やり方は簡単だが、しっかりしたシャボン玉ができるのには技が必要である。落とす水の量、水面とストローの間隔、水を落とすときの勢い(ストローを塞いだ指の放し方)、シャボン液の濃度、ストローの太さはどのくらいがいいのかなどなど、さまざまな工夫ができる。どのようにすれば大きなシャボン玉ができるか、できたシャボン玉がどれだけ長く水の中を漂っているか、工夫の仕方は多様である。
 シャボン液の作り方は、台所洗剤を数滴、水の中に垂らすだけである。ストローとコップ、台所洗剤とどこの家庭にもあるものですぐにできる遊びである。そして、この遊びのおもしろさは、自分の技を磨くことにある。さまざまな工夫、試行錯誤を重ねながら技を高めていく。一度修得したと思った技が、いざやろうとするとうまくいかないこともある。なかなか奥深いものがある。遊んでいるつもりがシャボン玉に遊ばれているようなことにもなるが、この創造的なところがおもしろい。大人でもやみつきになるので、遊びすぎにはご用心。