XRQ技研業務日誌

ものづくりを楽しんでいます。日々の暮らしの中に面白そうなものを探しながら

散歩..プチ贅沢

shig552007-03-11

季節の変わり目である。夜半からの雨は午前中に上がったが、陽射しが出てきたと同じくして風が強くなった。北からの冷たい風だ。春の陽射しに勢い込んで外に出た途端、寒さに震えてしまう。日本海上には雪雲の筋が広がっている。たくさんの雪が降っているとテレビの画面は伝えていた。

寒い風の中を散歩に出かけた。カメラをポケットに忍ばせて「何かおもしろいものはないかな」と街中ウォッチングである。成長の早いクロガネモチの街路樹がおもしろい表情を見せていた。いろいろなものを樹皮の中にくわえ込んでいる。支柱が縛り付けられていた麻縄や名前のプレートなどが樹の成長に伴って樹皮の中に取り込まれている。恐ろしい成長力である。木々の新芽もおもしろい。様々な形があり表情がある。また、剪定された切り口もよい表情を見せていた。は虫類の大きな目玉のようにこちらを睨みつけている。

散歩の途中でショッピングモールに立ち寄る。何気なく歩いているとお茶屋さんでお茶を出してくれた。よい香りで北風の中を歩いてきた喉にはほっとする味である。お店の人と話をしているとお茶屋さんにはさまざまなものが置かれていることに気づいた。お茶だけではないのだ。当たり前なのだがお茶に関係するものがいろいろある。きれいな干菓子があった。和三盆を固めた「打ち物」である。桜をイメージした淡いピンクのものや菜の花の黄色など春を思わせるがきれいに並んでいる。茶道具も並んでいた。茶筅茶杓、茶碗もたくさんの種類が置いてある。名品と言われるものが目の飛び出るような値段で紹介されるが、ここにあるのは普段使いの手頃なものである。茶道としてのお茶ではなく、生活の中でお抹茶を楽しむため道具のようだ。
話をしているうちにお抹茶をいただくことになる。とてもまろやかで香り豊かなお茶である。石臼で丁寧に挽いて1〜4ミクロンのとても細かな粒子にしてあるのだという。素材となる葉によって品質が異なるとのことで、いろいろな名前の付いたお抹茶が並んでいる。
おいしいお菓子とともにお抹茶を楽しむのもいいものだ。味と香りと色を楽しみ、ゆったりとした時間を楽しむ。袱紗や懐紙はなくてもよい。お茶そのものを楽しむ人も多いのだろう。そんな人のためにこの店は品揃えをしているのだろう。
話し込んでしまい、おいしいお茶をいただいてしまったので、いつものものよりちょっと上のクラスを買うことになる。これにふさわしいお菓子を探さなくては・・・。プチ贅沢である。