
夕暮れが早くなってくるとイルミネーションの輝きが欲しくなる。小さな明かりでも暗闇の中で光る様は気持ちを晴れやかにしてくれる。SDGsの叫ばれている昨今だが、省エネルギーのLEDで短時間だけ心を癒してくれる点灯なら許されるだろう。
以前に作ったイルミネーションを引っ張り出してきた。PICを使ったコントローラーと点滅の回路が組み込まれたRGB LEDを連ねたものだ。暗くなると点灯を始め、一定時間が経過すると消灯するプログラムを入れてある。そして翌朝明るくなるとリセットされて、また暗くなったら点灯する。点灯・消灯を明るさで行うため徐々に変化する状況をヒステリシスを持たせてスイッチングさせることに手間取ったプログラムだった。また、一定時間が経って消灯した時、周囲がまだ暗いままの場合も点灯してしまうのを防ぐため、朝が来て一度明るくならなければ次の動作をしないように工夫をした。だいぶ以前の製作のため、もうその開発環境は手元になく当時作ったHexファイルが残っているだけだった。
引っ張り出した装置を設置する。ほぼ順調に動作したのだが、一つだけ動作しないものがあった。修理の始まりである。LED単体なら点灯するので問題はコントローラー本体のようだ。PICが壊れたのかと、ジャンクボックスを漁ってPICを見つけだし、プログラムを書き込んで装置のPICと交換してみる。一度は動作を始めたのだがじきに動作しなくなってしまった。電源部かPIC周りの回路が怪しい。PICの信号出力でリレーを駆動していたものをトランジスタで制御するように変更した。電源部は平滑コンデンサを噛ませてUSB充電器から供給するように変更した。これまで使っていたACアダプタの電圧が高かったことも故障の原因だったかも知れないと考えたのだ。ともあれ正常に動作するようになったのだが、試行錯誤の修理で手持ちのPICを全て使い切ってしまった。補充しておこうとショップを覗くと値段が3倍近くに高騰していた。現行のATtinyの方がずっと安価である。こんなところにも時の流れを感じるのだった。
PICが入手しづらくなったので代替のATtinyのチップを使った回路を考えなくてはならない。簡単な動作なので移植も容易だが、少し手を加える。ラッチ付きのリレーを使うことにした。フリップフロップのように一度ONになったらその状態を保持し、Offにするにはまた信号を与えればよいというリレーだ。つまり保持するための電力を必要としない省エネ部品である。
日の入りが早くなり、イルミネーションを引っ張り出したことから始まった騒動だったが、部品一つからも時の流れを実感する出来事だった。世の中が騒然としていて平穏とはほど遠い状況だが、せめて夕暮れのひとときほっとする瞬間が味わえればと願う。